せせらぎ


カテゴリ
栄町ヤマト薬局
栄町ヤマト薬局/一覧 (807)


漢方薬を初め、天然素材の薬を用いて、さまざまな慢性疾患の回復のお手伝い

2008年5月
       
17

新着エントリ
笑顔 (7/5)
あるお母さんへ (7/4)
幸せ (7/3)
腕時計 (7/2)
(7/1)
名古屋 (6/30)
あくび (6/29)
自由 (6/28)
地震 (6/27)
媚び (6/26)
船大工 (6/25)
自然 (6/24)
オカリナ (6/23)
弱み (6/22)
(6/21)
紀香バディー (6/20)
集中力 (6/19)
当たり前 (6/18)
烏(からす) (6/17)
活断層 (6/16)
絵画 (6/15)
ガス型 (6/14)
(6/13)
(6/12)
段ボール箱 (6/11)
(6/10)
群れ (6/9)
丸刈り (6/8)
太王四神記 (6/7)

新着トラックバック/コメント


アーカイブ
2006年 (266)
4月 (25)
5月 (29)
6月 (31)
7月 (30)
8月 (31)
9月 (29)
10月 (31)
11月 (30)
12月 (30)
2007年 (354)
1月 (31)
2月 (28)
3月 (30)
4月 (31)
5月 (30)
6月 (30)
7月 (31)
8月 (31)
9月 (30)
10月 (22)
11月 (29)
12月 (31)
2008年 (187)
1月 (31)
2月 (29)
3月 (31)
4月 (30)
5月 (31)
6月 (30)
7月 (5)


アクセスカウンタ
今日:315
昨日:587
累計:276,547


RSS/Powered by 「のブログ

2008年05月17日(Sat)
< コブラ < 強者 | エッセイ/一覧 | コウモリ > 満腹
せせらぎ

 法事がそろそろお開きになる頃、母がみんなの前で膝をつき、先に失礼する挨拶をした。それまで宴もたけなわのにぎやかさがぴたりと止んだ。弟が養子に入り20数年、義父が亡くなり、今年の桜が咲く頃義母も亡くなった。「こちらのお父さん、お母さんが亡くなり、息子が家を支えなくてはならなくなりましたが、なにぶん頼りないもので、みなさまの力を貸して頂かなければなりません。これからも宜しくお願いします」畳に頭を深くこすりつけていた。老いても母は母。50を過ぎた息子のことを親類一同にお願いする姿に、母親というものが持つ愛情の深さを感じた。その姿に感動したのか、一同が拍手をしてくれた。そしてみんなが玄関まで見送ってくれた。
 母には少しは分かるのかもしれないが、僕には誰が誰なのかさっぱり分からない。葬式と法事に会うだけの関係だから、会話もしたことがない。ただ、今日は、親族って感覚が少し分かったような気がした。僕の両親はどちらも兄弟がいないので、親類がとても少ない。子供の時は、我が家と同じように育った母の里くらいしか親類を知らなかった。親族が多いことの煩わしさを店頭で聞く機会が多かったので、今日の経験は意外だった。
 お墓までを、田圃が広がる景色の中を歩いた。県道からかなり入ったところだったので車の音もしない。時折聞こえる鳥の鳴き声に混じって、チョロチョロと流れる小川のせせらぎの音を聞いた。何十年ぶりに聞く音なのだろう。母の里と同じように田圃が広がるその町で、記憶が何十年もタイムスリップした。そこには人生を歩み始めた夢多き少年の姿はなく、無精ひげを烏に笑われる喪服姿の僕がいた。