栄町ヤマト薬局 - 2017/04

漢方薬局の日常の出来事




2017年04月27日(Thu)▲ページの先頭へ
自尊心
 一応白衣も着ているし、薬局も都会のものに比べれば大きいから、それはないだろう、と言うのは僕の勝手な思い込みで、基本見掛けはみすぼらしいのかもしれない。かの国の女性が帰国するときに「オトウサン、そのままの格好でキテクダサイ 安全ですから」と太鼓判を押してくれるくらいみすぼらしいが、それにしても・・・
 リクルート姿の延長かと思えるような青年が薬局に入ってきた。少しだけ物色した後、ぎこちなく黒いかばんからなにやら取り出した。1枚のパンフレットだったのだが、タイトルが彼の説明より早く目に入ってきた。「毎月1万円 積み立て・・・」僕がそのパンフレットを受け取ったから、彼は警戒心を少し解いて説明を始めた。なんでも、毎月1万円を積み立てて毎年どこかに旅行に行くというものだ。信用金庫が旅行も計画してくれるらしい。旅行に関して僕が何も興味を示さなかったからか、旅行が嫌いな人には満期の金額を支払うと言った。で、5年間で利子がどのくらいつくのかと思ったらなんと驚くことなかれ、508円だそうだ。毎月1万円積み立てて60回。利子が508円。経済には全く疎いから、低金利などと言う言葉にも関心がなかったが目の前に突きつけられるとリアルだ。一所懸命積み立てた結果が、ユンケル1本飲んでしまえばそれでチャラ。ラーメン1杯でチャラ。駐車場に1時間半止めればチャラ。
 空耳だったのかもしれないが「せめて1万円くらいなら・・・」と聞こえたのは、新人ならではの押しの弱さか、はたまた僕を値踏みした結果か。「明日までに積み立ててくれる人をとらなければならないんで焦っているんです」と言われても、僕には関係ない。せめて僕の自尊心をくすぐってくれていれば考えないこともなかったが、毎月1万円ではさすがに僕も。せめて毎月2万円くらいを言ってくれたら・・・


2017年04月26日(Wed)▲ページの先頭へ
二刀流
 ついに二刀流開眼だ。これで大谷選手と並ぶ。
 雨の日のモコの散歩は行くべきか行かないべきかで迷う。と言うのはモコはミニチュアダックスだから足が短く、地面の上はすぐ胴体だ。おまけに胴体が長いから自分がけった泥がお腹一杯につく。少しの時間出ていただけでもお腹はべとべとだ。とは言え、いくら犬でも自然の摂理には逆らえない。催してくるだろう。雨を察するとひたすら我慢したのは以前飼っていた雑種のクリだが、洋犬でもそれに近い根性は見せる。だから余計、朝の排泄のタイミングを奪うのは気が引ける。雨に濡れるのを嫌がるモコを外に連れて行き排泄を促すのがいいのか、家の中で便意を我慢しながら雨が上がるのを待たせるのがいいのか、本人(本犬)に聞いてみたい。
 なるべく雨の日でも排泄させてやりたいので、少しくらいの雨なら傘を差して隣の駐車場に出る。モコを地面に置き自由に歩かせるのだが、モコの動きに傘を合わせるのは結構大変で、「どうして雨に濡れないのだろう?」などと考えもしない天真爛漫なモコの後を追う。当然僕の上には傘がなく、僕は雨に甘んじる。となるとさすが善意の塊のような僕でも戦意喪失する。だから責任のない雨にさえ当たるようになる。(雨に当たって、雨に当たる?)
 思えば何年も同じことを繰り返していた。ところが今日ふとひらめいたのだ。モコと僕を別の傘にすればいいのではと。そこで2本の傘を用意して雨の中に出た。1本はモコの動きに合わせて低く構え、1本は僕専用で高く差す。「なんていうことでしょう(ビフォーアフター調に)」モコは天真爛漫を崩さす、僕は水も滴るなんとやらにならなくてすんだ。もし人がいたら、そして小さなモコが見えなかったりしたらなんと思われるだろう・・・てなことは考えない。我ながらしてやったりで、これから梅雨の時期を迎えても苦にならない。滅茶苦茶シンプルすぎて誰でもが思いつきそうで、しかし見たこともない。
 本日、二刀流に開眼。


2017年04月25日(Tue)▲ページの先頭へ
国語の時間
 この喜びの表現を披露しない手はない。沢山の人と接しているから定型語句から外れた独創的な表現に出くわすと、独り占めにするのはもったいない。その言葉を発したのは70歳くらいの男性だ。岡山市からわざわざ来てくれるようになったのだが、わざわざ来てくれた甲斐があった。
 1ヶ月前に来た時に依頼されたのは、逆流性食道炎のせいで咳やげっぷが頻繁に出る。逆におならが出ないから心臓が圧迫されて息苦しい。便意が頻繁にありいつも便が残っているような感覚がある。足先が冷たい。痰が引っかかる。不整脈、めまい、首や肩の凝り、高血糖だった。当然病院を掛け持ちして13種類の薬をもらって飲んでいる。あまりにも多くの薬を飲まされていることと、症状がよくならないことを理由に訪ねてくれた。
 応対して、その方が潔癖なことが伝わってきた。綺麗好きと言う意味でなく、ことに当たって完全にやり遂げなければ気がすまないみたいだ。その性格が多くの不快症状に関連している。このコーナーは症例報告ではないから詳細は省くが、煎じ薬で力みをとってあげることでわずか1ヶ月で、逆流性食道炎のせいで起こる咳やげっぷがかなり改善した。おならが溜まり胸苦しくなっていたのもかなり改善、残便感もほとんどなくなった。雲の上を歩いているようなめまい(動揺感)もかなり減った。
 今日で3回目だが、律儀な人で、「こちらに来ていてよかった」と何度も繰り返してくれる。1度お礼を言ってもらえれば十分なのだが、何回も繰り返す。その性格が病気を作っているんだと言いたかったが、その性格こそが最強の魅力のはずだから言葉を呑んだ。要はこの男性は「いつもがんばる」病だ。力みをとって、内臓の働きを正常にしてあげれば解決する。「隣の部屋にいる人に聞こえるくらい大きなおならが出始めると治る」と分かりやすく説明しておいたら、今日問題の非常に分かりやすい表現で快調振りを報告してくれた。
 2回目の漢方薬を飲み始めて気持ちの良いおならが出始めたらしい。「先生の言われていた事が分かりました。この前薬を頂いて帰ってから大きくて気持ちの良いおならが何年ぶりかに出るようになりました。同居している孫が今7ヶ月なんですが、私のおならで目を覚ますんです。だから嫁や娘が、おじいさん、おならするんだったら隣の部屋に行ってして頂戴と怒るようになったんですわ」と笑いながら言った。心臓が圧迫されるから、おならがたまるのは苦しい。それから解放された喜びを家庭内のエピソードで報告してくれた。まじめに生きてきた人が手に入れる家庭の景色が目に浮かぶようだ。孫が目を覚ますほど大きな音のおなら、過敏性腸症候群のガス腫れタイプの人が聞いたら羨ましいくらいだ。ガスに関してこの表現を上回るものは今だ聞いた事がない。嘗て下痢型の女性が「拝みたくなるようなウンチ」と表現してくれたことがあるが、それに匹敵するくらいの興味深い表現だった。
 時々、薬局の中でこのように突然国語の時間に迷い込む。仕事がますます楽しくなる一瞬だ。


2017年04月24日(Mon)▲ページの先頭へ
広告
インターネットに広告を貼り付ける(バナー?)のが収益源になるというから不思議に思っていた。何故なら僕はその種のものを覗いたことがないから、他の人も同じだと思っていた。ところがつい・・・やはり効果覿面なのだ。
 気がついたら背後に妻がいて「何を見てるん?」と不意打ちを食らった。それこそバナー広告の甘い言葉に釣られて、クリックを繰り返していたのだ。見てはいけないものを見ていて見つかった。子供の時にはやった流行歌の中にこんな歌詞があった。「あら、見てたのね〜」正にその状況だ。
 僕が画面に見つけた魅力的な言葉は「普通免許でハーレーに乗れる」と言うものだった。原付を若い時には乗っていたが、事故を2度経験してから乗るのを止めた。その後、もっぱら車だったのだが、高速道路でオートバイなどを目撃すると「乗ってみたいな」といつ思っていた。何度かこのコーナーで書いたことがあるが、僕が遣り残したこと、未練たらたらなのはこのバイクと和太鼓だけだ。もう完全に諦めたものが簡単に手に入る?それも腰が悪くて倒れたハーレーなど起こすことが出来ないに決まっているのに「倒れないハーレー」がある?まさに僕のために貼り付けられたような広告だ。
 そのハーレーは三輪車で、バックも出来る。だから、倒れることもないし、押すこともないのだ。腰痛持ちの僕でも乗れる。後ろの荷台の様な所を隠せばハーレーそのもので格好もいい。仕事の合間に盗み見しては夢を膨らませていた。そんなときなのだ不意打ちを食らったのは。
 夕食時、その話をすると、オートバイで有名なかの国の次女三女はかなりの興味を示した。ハーレーと言う名前は知らなかったが、インターネットで見せると「かっこいい」と声をそろえていた。そして「お父さんがほしいのはこれ!」と言って三輪車を見せると2人同時に噴出した。「子供のですか?」「介護の車ですか?」その後は3人による罵声を浴び続けた。
 なんでも、その3輪車の購入者はやはり年齢が高いみたいで、50代60代、最高年齢は78歳らしい。その気持ちはよく分かる。僕など購買層から言うと中堅どころかもしれない。あわよくば乗ってみたい。娘達が「オトウサン、このオートバイ高いですか?」と尋ねるから「きっと高いと思うよ、100万円位するのではないの」と答えるとびっくりしていた。そこで実際に買うとなったいくら位するのだろうと値段も調べてみた。するとなんと450万円だった。これじゃ、ハーレーではなくて、「アーレー」だ。


2017年04月23日(Sun)▲ページの先頭へ
老年期
 毎日新聞の人生相談に高橋 源一郎が答えている。週1くらいの割合だと思うが、毎回目を通す。なるほどとうならせる答えばかりで、さすがにプロだと感心することが多い。先週の答えの中で老年期が一番自由な時期なのだから、それを楽しまない手はないと書かれていた。老年期に対して、今まで抱いていたイメージと逆の発想だったので、驚いたし、一本取られた感じだ。
 言われてみれば頷ける事は多い。卑近な例を挙げると、欲しいものがないからお金から自由になれるし、胃も小さくなったから食べ物に凝らないし、服装で高感度もあがらないからぼろでいいし、何かを一緒にやり遂げるようなことはないから交友関係は選り好みすればいい。何か言うとうるさがれるから子や孫には黙って無関心でおればいい。
 いわゆる生産をしなくても許されるようになれば、時間もお金も、全ての事柄が、すなわち信頼や責任や命までも浪費できるようになる。考えてみれば僕がこの数年かの国の若い女性たちにしていることなど、老年期だからこそ出来ていることだ。完全に自由を保証されているからできていることだ。休日のほとんどを彼女達のために費やし、給料のかなりの部分をチケット代や交通費や食事代に費やし、家族はそれを多めに見てくれている。呆れて見ているのか応援してくれているのか分からないが、僕はそのどちらの理由にしても、これからも同じことをする。自分のためではなく、家族のためでもなく、遠い異国から来ている若者達の為に持てる物を提供する、そんな自由は滅多にない。


2017年04月22日(Sat)▲ページの先頭へ
英語
 飾らない美しさに勝る美しさはない。そんな女性がこの2年の間結構やって来てくれた。御自分の病気の場合は数えるくらいで、もっぱら御主人の薬をとりに来るほうが多かった。僕は勿論、娘も同じ感想を抱いていて、なんて気取らない美しい人だと思っていた。ほとんど白髪に近かったが、とにかく品に溢れている。かもし出すのではなく、溢れる感じだ。作意が全くない。本人はごくごく普通にしているのに、その気品に圧倒される。別に経済的に極端に恵まれているわけではない。大都会から御主人のリタイアとともに牛窓に帰って来たが、もともとは牛窓育ちだ。僕より少し歳が大きいと思うが、ひょっとしたら中学校で重なっていた可能性はある。
 僕が牛窓に帰った頃から僕の薬局をしばしば利用してくれている男性がいる。その男性の一番の特徴は絶対人を褒めない事。それを承知で、その女性の話をしてみた。と言うのは家が近所だからだ。するとその男性は開口一番「あの人はいい人じゃ、品があってきれいじゃろう」と、全く僕と同じ単語を使って褒めた。これには驚いた。彼が褒めるとなれば、半端ではない。誰もが認める美しさ、品なのだろう。
 こうした圧倒されるような品性に遭遇すると「美しい」と言う言葉を使いたくなる。何気ない言葉遣いや動作に感銘を受ける。この種の人に、数年に1度お目にかかることが出来れば幸運だ。
 御主人の体調不良がきっかけで僕の薬局を利用してくれるようになったのだが、ただ普通に買い物をするだけで教えられるところが多かった。英語で言うとクールが当てはまるのかもしれない・・・(英語が出来ないのにおこがましいが)


2017年04月21日(Fri)▲ページの先頭へ
過敏性腸症候群
 過敏性腸症候群(IBS)症状を訴える患者を、一般の診療所で1年間で、どのくらい診たかのアンケートを1000人近いお医者さんにしたデータを見た。それによると全くそのような患者が来なかった診療所は16%、10人以内は55%、50人以内は23%、100人以内は3.3%、100人以上は2%だった。意外と過敏性腸症候群の患者は診療所を訪ねないんだと思った。僕みたいな田舎の薬局でも2%の部類に入るのだから、そもそも一般の診療所は患者が選択する対象に入っていないのかもしれない。コメントも寄せられていて3番目のような本心を知ってしまうと、門を叩く気にもならないのかもしれない。ただし、5番目のような先生だと親近感が増し、敷居は低くなるかもしれない。ただし、まだ本人が治っていないのだから不安で、その先生にかかる気にはならないかもしれない。
 今度、便秘型の患者に効果があるといわれる薬が出るらしい。データが発表されていたが40%くらい効果があるらしい。たった40%で大々的にメーカーは宣伝しているが、便秘で40%と首を傾げてしまう。下痢型も便秘型もそんなに難しくはないから。
 過敏性腸症候群で本当にお役に立てるのはガス漏れタイプだろう。時間がかかろうが、ペースを乱されようが、その人たちの生活の質の落ちようは相当なものだから、何とかお手伝いしたい。こちとらは青春時代からペースは乱れっぱなしだから、今更乱れてもたいしたことはない。そんなことを憂う時間があれば、アホノミクス他の政治屋の道徳の乱れを憂う。

●メンタル疾患が背景にあると思い、その系統の薬をそれとなく勧めるのですが、本人の同意が得られず、決め手がない状態です。(40代診療所勤務医、循環器内科)
●症状にこだわらないように指導している。(50代勤務医、一般内科)
●IBSの患者は問診に時間がかかり、ペースを乱されるので敬遠したい。心療内科や精神科の先生は本当に偉いなあと痛感する。(50代開業医、一般内科)
●患者さんは職場の理解が得られず、仕事を休みにくいらしい。「いっそ、潰瘍性大腸炎の方がよかった」と言う方もいた。(30代 勤務医、一般外科)
●私自身がIBSで、極端な場合、毎食後に排便します。特に美味しいもの、普段食べない高級なものを食べた場合は100%です。宴会 などで苦労します。(60代勤務医、一般内科)


2017年04月20日(Thu)▲ページの先頭へ
明暗
 偶然だが、昨日と今日二人の方が相次いで退院した。しかし明暗ははっきり分かれていた。
 昨日退院したのは90歳のおばあさん。お嬢さんが報告に来てくれたのだが、報告は悲惨なものだった。何のために入院したのだろうと思ってしまう。そもそも入院したのは腰が痛くて歩きにくいというものだった。トラブルと言えばそれだけで、90歳を越えているのに病院の薬はほとんど飲んでいない。要は腰以外は元気なのだ。娘を僕の薬局に来させて骨粗しょう症の漢方薬を2週間分ずつ持って帰る。ところが40日前にもっと歩けれるようになりたい一心で突然入院した。病院は当然リハビリをしてくれるが、薬もくれる。90年近くまともに薬など飲んだことがないくらい元気な人なのに、まず麻薬に近い鎮痛薬が二つ出た。枕が替わったので寝付きにくかったから睡眠薬が出た。痛みが2つの強い薬を飲んでも効かなかったので、抗ウツ薬が痛みを止めるために出た。そうしているうちに胃が悪くなって胃酸をかなり止める薬が出た。病院で寝てばかりいるのに血圧が上がり血圧の薬が出た。じっとして動かないから足がむくむようになって利尿薬が出た。コレステロールが高いからその薬も出た。麻薬性の鎮痛薬のために便秘になって自力では出なくなったので下剤も出た。そうそう、リハビリ以外動かずにベッドで寝ていただけで、筋肉がどんどん落ちた。免疫が落ちたのだろう帯状疱疹にもなってその薬も出た。極め付けは、そのヘルペスの薬を飲んでから、気持ち悪くなって食事もとれずに無気力になった。そこで先生が「退院してもいい」と言ったそうだ。普通は元気になって退院するのだと思うが、今回はそれ以上悪化するのを防ぐために退院させられたのだ。家族は病院を責めはしなかったが、悔しい思いは隠すことが出来ない。おばあさんは僕への伝言で「全然よくならない」といつも言っていた。ところが左側の痛みは入院するまでに治っていたそうだ。改善したところはなかなか皆さん評価してくれず、不満ばかり口にしているとこんな結末になる。
 もう一人はこの逆だ。入院してよかったとつくづく思う。病院からの帰り道を寄ってくれたのだが握手を求められた。お父さんに連れられての退院だが、お父さんも嬉しそうだった。入院直前の人格を失っていたかのような状態から、しっかりと落ち着いて話も弾む。入院前は病院を掛け持ちし、同じような薬をそれぞれでもらって、混乱しきっていた。少しの不調で病院を頼るから、医師もいわれるままに処方して、薬の副作用を又薬で治そうとし、そのまた副作用を次の薬で隠そうとする。主訴は始め1つだったのに、入院直前には病気のデパートだった。結局40日の入院でしたのは、いかに無用の薬をから離脱できるかの訓練だった。その結果多くの薬から解放されて、嘗てのように意思疎通が出来る状態に戻っていた。人格を破壊されたのは病気ではなく、親切心で出された薬のせいだ。
 大病の場合、大きな有名病院にかかるからおおむね安心だ。それ以外に選択肢がないこともあるが、やはり知力、技術、設備などが集約しているところだ。ただそこから下のレベルの場合は正直、いい加減なところも多い。いい加減なところにはいい加減な病名が集まるが、本当に必要な治療か、薬か、調べたほうがいい。そもそも人には自然に回復する能力が備わっているから、何でもかんでも病院や薬で治すのではなく、備わった力を導き出す努力をしたほうがいい。今回おばあさんを診てくれたお医者さんはとても人格者で、多くの人に慕われている。それでも善意が過ぎればこのような結果をもたらすことがある。病気は薬で治るが、老化は薬では治らない。労働と運動と栄養と、どさくさに紛れて、ヤマト薬局の漢方薬。


2017年04月19日(Wed)▲ページの先頭へ
生き方
 僕がお御堂の傍にある小さな部屋に入っていったときに、日本人の老人2人と彼女と後輩の男性の4人が、テーブルを挟んで対峙していた。言葉が通じないのを気にしてかどちらも遠慮気味だった。その場を繕おうとしてではない、自然に言葉を掛けて、かの国の2人の間に割り込んでソファーに腰を下ろした。すぐに話し始めると、その2人の日本語の堪能さに驚かされた。特に女性の日本語力には驚いた。結局、それがきっかけで仲良くなったのだが、一つ面白いことがある。いや二つかな、三つかな?
 その女性が機知と機転に富んでいることはすぐに分かった。それと未知なる物への好奇心の強さにも驚いた。カトリック教会への興味、変な日本人への興味。「教会、すばらしいですね。いい話(説教)ですね」「オトウサン、また教会へ来ますか?」でその日の彼女の満足度がわかった。
 昨夜彼女から電話がかかってきた。日曜日に尋ねておけばよかったのだが、彼女が日本で経験してみたいことを教えてもらった。何か僕の得意分野だったら協力できると考えたからだ。日本語1級を持っているのだから、それもわずか2年で取ったのだから能力の高さが分かる。そんな女性の日本での有意義な体験に貢献できればと思ったのだ。
 「〇〇〇ちゃん、自分の趣味は何なの?何か手伝いできることがあったらしてあげるよ!」
 「オトウサンありがとう。私読書好きです」
 「そうなの、読書なら1人で静かに読んでね」
 「野菜作るの好きです。アパートの裏で作っています」
 「自分で作って」
 「オトウサン、私、料理好きです」
 「自分で作って」
 「オトウサン私、食べること好きです」
 「自分で食べて、代わりに食べてあげることは出来ないから」
 「私カラオケ好きです」
 「僕はカラオケ大嫌い」
 「特にスマップとスピッツが好きです」
 「スナックと犬?」
全然かみ合わない。見事と言うほかはない。そこで彼女が一大提案をしてくれた。
 「オトウサン、28日の金曜日遊びませんか。私も〇〇〇君も、〇〇〇君の友達の△△君も休みです」
 「その日は金曜日ではないの。遊ぶわけにはいかないよ」
 「そうですか、残念です。オトウサンに会えて幸せでした」
 「お父さんに会った人は皆、不幸になるよ」
 電話を切ってから目の前で聞いていた次女と三女が、平日に遊ぼうと誘われたことについて「オトウサンの格好だったら、仕事がない人のように見える。誰でも、そう思う」とにやにやしながら言った。「オトウサンのソックス右と左、色が全然違う」薬局では誰も僕の足元など気にしないから、片や黒色、片やねずみ色でも似た色だから分からないだろうと思っていたが、さすがに台所では足元が全てあらわになるからちゃんと気がついていたのだ。
 妻と2人だと身だしなみなどどうでもいいのだが、若い女性達と暮らすとそうは言って・・・・おれる。生き方までは変えない。
 


2017年04月18日(Tue)▲ページの先頭へ
見えるんです
 さりげなく「見えるんです」と言われたが、それである程度は想像がついた。と言うのは、あまりにも疲れた顔をしていたので理由を尋ねると5日前にお父さんが亡くなり、葬儀などでかなり忙しかったと教えてくれたから。まして僕より年下の女性だから、そうした行事に慣れていないからなおさらだ。お父さんの年齢を尋ねると丁度90歳らしい。そこで僕が「じゃあ、十分ですね」と言うと「本人もそう言ってます」と答えた。このやり取りに何となく違和感があった。「本人?」「そうです。」「本人が言ったの?亡くなったのではないの?」「はい、通夜の時に言っていました」
 何も脚色されない自然な会話だ。家族5人、全員の漢方薬を作らせてもらっているからよく知っている人で、彼女は1日3時間睡眠で4人の生活を支えている。職場、働く時間がばらばらの4人を送り出す、そして迎えるの繰り返しを3時間睡眠で切り盛りしている。お子さん3人ともしっかりした人たちだから放っておけばよいと思うのだが、どこか古い価値観を身に付けた人なのだろう、倒れるのではないかと言う僕の懸念など無視して頑張っている。またお子さん達もとてもよい性格の人たちで、例えばこの「見えるんです」を演じたり嘘をつくような人ではない。長女が実は「見えるんです」らしいが、彼女だったら僕は100%信じる。嘘などと言うものからもっとも遠く離れた人だから。
 何が見えるのかとても興味があった。だから失礼と思いながらも、結構詳しく聞いた。全部覚えて披露したかったが、メモを取るわけにも行かず記憶力に頼った挙句を下段に箇条書きで書く。長女はとても穏やかな方で、着実に仕事をこなし評価は高い人だ。ただその性格ゆえか時々心が折れて僕の漢方薬が必要になる。末っ子も以前は「見えて」いたらしいが、最近は見えなくなったらしい。
〇通夜の時、おじいさんはいなくなった。何処に行っていたのとたずねると実家に行ったり、色々行かなければならないところが  あったそうだ。
〇斎場ではおじいさんは沢山の人たちと空に浮かんでいた。おじいさんだけはっきりと見える。後の人たちはボーっとしている。足 はなかった。
〇葬儀の間ずっとおじいさんはみんなの肩を叩いて回っていた。(実際に長男は左の肩が急に痛くなり、次女は右の肩が痛くなった )
〇彼女(娘)の体をとても心配していた。
〇彼女には3人がついている
〇他の家族にもついている
〇当然上を向いた姿勢で納棺していたが、お別れの時に首が左側に向いていた。葬儀のときにお経が聞こえるほうを向いていたらし い。
〇骨を拾う時に「いい骨をしとろうが(しているだろうが)」と言ったらしい。実際に90歳とは思えない骨をしていたそうだ。

 もう少しあったと思うが、思い出したのはこのくらいだ。淡々とお嬢さんが見た光景を説明してくれたが、もう慣れているのだろう、僕みたいに興奮しない。「それだけ見えるのだったら他のところでも見えるのではないの」興味しんしんで尋ねてみると「広島に行くと一杯見えるらしいですよ。電信柱の陰なんか一杯いるらしいです。だから娘は広島に行くと頭が痛くなるらしんです」と教えてくれた。「私はもう慣れているから怖くはないです」と言うが、僕も怖くない。むしろ何か科学的な手法で証明してくれないかなと思う。
 今度お嬢さんが自分で薬を取りに来たら根掘り葉掘り聞いてみたい。もう病気のことなど放っておいて。これで僕は見える人を二人知った。


2017年04月17日(Mon)▲ページの先頭へ
脇道
 日が長くなった。昨日、ある用事を1日の最後にとっておいたので、妻がその家を訪ねたのは午後7時前だった。訪ねるといっても初めての場所だからおよその見当しか立てていなかった。運悪くそのお家がありそうなのは、主要道から脇道を入り、そこからまた細い道を入っていく感じだった。僕の車では余程度胸か技術がなければ入っていけそうになかったので、路肩ぎりぎりに車を止めて待っていた。ところが妻は家がなかなか見つからないみいで何度もバックミラーから消えたり現れたりしていた。偶然犬を連れた老人が通りかかったので尋ねていたみたいだが、それでもなんだか合点がいかなかったみたいだ。おまけに無類の犬好きは僕が待っているのにお構いなく、しゃがみ込んで犬と戯れる始末だ。そうしているうちに暗くなった。車を止めていた道は、対向車とすれ違うのがやっとなくらいだったので、ちょっと先に見つけたゴルフの打ちっぱなしにの駐車場に無断で車を止めさせてもらった。
 車を止めて外に出てみると、空気がひんやりとして気持ちが良かった。打ちっぱなしの反対側には幅数メートルの水路があって、そこが児島湾の干拓地だというのが分かる。恐らくこのあたりは農地が広がっていたのだろうが、今は住宅がポツポツと立っている。薄暗い街路灯が水路に沿って立っているが、安全といえる明るさには程遠い。
 ふと気づくと、頭上を頻繁に何かが飛び交っている。一見ツバメが飛び交っているように見えたが、羽を広げた長さの割には体長が短い。あれはこうもりだ。すばやい動きで鋭角に方向を変える。彼らが活動を始めた時間なのだろう。そうかこんなところに一杯すんでいるんだ。この時間、この暗さだから人が気がつかないだけで、きっと一杯のこうもりが繁殖しているのだろう。このあたりの家の屋根裏に住みついているのだと思った。
 想像して気持ちの良いものではない。見た目ではなく、こうもりは狂犬病を伝染させると聞いたことがあるのでそれ以来、そういった意味でも、ますます嫌いになった。インターネットで調べてみると、実際には人間が被害に会うことはないらしいが、それでも感情論として受け入れられない。
 鹿も猪も熊も鳥も確実に増えた。こうもりが増えない理由はない。招かれざる生き物だが、生きていく能力は高そうだ。誰か全部捕まえてこうもり傘にしてくれないかな。


2017年04月16日(Sun)▲ページの先頭へ
脳腫瘍
 今朝、ミサが始まる前に1つの小さな箱が回されてきた。箱の上には張り紙があり、ある方の親族が脳腫瘍の手術を受けるから寄付をしてくださいと書いてあった。僕の隣にはその朝教会で初めて会ったかの国の女性が腰掛けていた。その女性に箱を手渡すと彼女は箱に書かれた文字を声を出して読み始めた。簡単な言葉は読めるんだと思って聞いていると、脳腫瘍と言う字まで正確に読んでしまった。その字が読めるのだから、あとの字も完璧で何の間違いもなく読み終えた。それには正直驚いた。その字が読めるのだから余程日本語が堪能なのだろうと思い「N1(日本語検定試験1級)なの?」と尋ねてみた。するとやはりN1だった。僕はかの国の女性でN1を持っている人に会ったのは二人目だ。10年位前、初めて牛窓の工場でかの国の女性達が働き出した頃、通訳としてきていた女性が持っていた。彼女はかの国では日本の東大級の学校の卒業生だったからN1を持っていても不思議ではないが、今朝の女性は介護士としてやって来ている看護士だ。外国語大学の卒業生ではない。その上彼女が日本語を勉強し始めたのは日本にやってくる1年前からだ、。向こうで1年勉強してN2をとり、来日して1年でN1をとった。今まで多くのかの国の女性に接してきたが、このスピードは驚愕のスピードだ。どうしてそんなに早くN1が取れたのか興味があった。そしてわかったことは「日本語が好き」というとてもシンプルなことだった。ただシンプルだけれど勉強にとって一番のモチベーション維持の理由になる。興味もないのに覚えられるはずがない。
 彼女はクリスチャンではないらしい。ただ興味があるそうだ。ミサの間中彼女はとても興味深く神父様や信者の行動を観察していた。1時間の間にいろいろなことが行われる。その一部始終を漏らさず見てやろうという意気込み、好奇心が前面に出ていた。恐らくその性格が日本語の習得にとても役立っているのだと思う。
 その後教会で復活祭のパーティーがあった。心細かったのか僕を隣にこさせ、他の信者さんとも打ち解けて話していた。2時間くらいでお開きになると、一緒に来た男性の後輩看護師と帰るというので、丁度母の施設への通り道だから送っていくことにした。道中で「お母さんの施設に一緒に行ってもいいですか?」と二人に尋ねられた。当然大歓迎だ。僕1人で行っても沈黙の時間が支配するだけだ。介護のプロでもあるし断る理由はない。
 やはり期待したとおり、いやいや予想以上に母に対して親切だった。母を見るなり「かわいい」と言ってくれ、優しく色々話しかけてくれる。母の手をとり、細くて長い指を綺麗だと言ってくれ手を握り続けてくれていた。どの子もどの子もどうしてこんなに母に優しくしてくれるのだろうと思う。クールすぎる息子を持って気の毒だと思うが、それを補って余るほどの愛情をかの国の青年達から頂いている。そういう意味では幸せだなあと思う。
 その後2人と彼女の寮に行き、かの国のコーヒーをいただきながら色々な事を話した。今日僕と出会えたことが、とても幸運だったと言っていた。その理由は僕には分かる。笑いが多いことと嘘がないこと。言葉や態度に修飾がないこと、それに尽きるみたいだ。異国の、自分の親より歳が大きい男と6時間近く話すことが出来るのだから、上記の条件は必須だ。延べにしたら恐らく50万人を越える人たちと薬局で話をしてきた経験が、この年齢になっても薬局外で人様の役に立てれる理由だろう。
 いつかかの国の料理を振舞ってくれるらしいが、ひとつだけお願いした。「にんにくは使わないで!」


2017年04月15日(Sat)▲ページの先頭へ
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ
 40代や50代でも、嗅覚が鈍くなることは早期死亡と関連することが新しい研究で示唆された。ストックホルム大学心理学准教授のJonas Olofsson氏らの研究で示唆された。この研究で、中年期以降に嗅覚が鈍くなった人は10年以内に死亡するリスクが20%ほど高いことが判明した。同氏によると、「嗅覚は脳の老化をよく反映しており、“坑道のカナリア”のように鋭敏な指標となる。

 ハッとした人もいるかもしれない。僕も今まで何人か臭わない人の漢方薬を作ったことがあるが、上記のような知見に接していなくてよかった。何となくこんな知見を心に秘めながら薬を作るのはいやだ。常に希望を持って作りたい。ただし、このような知見に触れると、そうならないように考えるのも僕達の仕事だ。そもそも臭わなくなるには、その基礎にある体の変化があるはずだ。それを補って臭うようになる漢方薬を作るのだから、そのことによって死亡するリスクを低くすることは出来そうな気がする。腰痛の患者に痛み止めを飲ませるのではなく、血流を回復させ自然治癒をもたらす漢方薬を作るのと同じだ。
 嗅覚は失ってから気がつくものだろうが、心配しすぎの方に安心材料を。「食べ物の風味には嗅覚が関与するため、食事がおいしいと感じられるなら問題はないだろう」だって。
 高齢になると何割かの方が嗅覚の衰えを感じるらしいが、この国の人間が本当に嗅覚の衰えを危惧しなければならないのは政治に対してだ。食事がまずくなるくらいならまだ命まで捨てずにすむ。ところがアホノミクスや太鼓もちの疫人どもの、庶民を馬鹿にした態度が止むところを知らない現状では、早晩北朝鮮と同じ国になる。もうアホノミクスと北の将軍様が同じに見える。いずれ壇上のアホノミクスにマンセーを叫ばされるのか。ノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチが「抵抗しない日本人」に驚いていた。原発で多くのものを奪われてなお、抵抗しない日本人。本当は弱者にしか強くなれない臆病な国民なのかもしれない。


2017年04月14日(Fri)▲ページの先頭へ
座布団
 妻が、ある女性の家に漢方薬を届けた。かつてはジープを豪快に乗り回していた女性だが、今は見る影もない。骨格系のトラブルでお世話しているが、病院では脳に出来た腫瘍の治療もしている。いくら元気一杯だった女性でもダブルで来られれば太刀打ちできずに、家の中でも行動が制限されている。だから妻は家の中に入っていって部屋まで薬を届けるのだそうだ。そのことに関しては不満はないが、一つだけいやなことがあるらしい。それはその女性がヘビースモーカーってことだ。部屋からほとんど出ずにタバコばかり吸うから、タバコの臭いが部屋に充満して耐え難いのだそうだ。
 そこであまりのひどさに「タバコの臭いが苦手なので家の外で薬を渡すようにしてもいいですか?30年くらい前に、主人にもタバコをやめてもらったんで」と頼んだらしい。するとその女性は面白い答えを返してきた。「御主人、かわいそう。タバコを止めさせられたの?」笑点なら座布団10枚くらいだ。脳腫瘍になってもまだプカプカタバコを吸っている豪傑でないといえない言葉だ。それが冗談でなく本気だというところがまたいい。
 思想信条といえば大袈裟だが、人には譲れない価値観と言うものがあり、この女性にとってタバコは悪ではない。むしろ好ましいものなのだろう。それだから出た素直な感想だが、今年に入ってから一番面白くて興味がある言葉だった。
 


2017年04月13日(Thu)▲ページの先頭へ
岡山県貨物
 僕の薬局はクロネコヤマトを利用している。理由はいくつかある。地元に営業所があり、働いている人の中に牛窓の人が多い・・こうして考えてみると意外と理由は少ない。たいした理由ではないが、これらを越える理由も見当たらないから今のままで行くつもりだ。
 薬局で使っていた印刷機がリースの期限が来たので返還しなければならなくなった。こちらの負担で大阪の処理施設に送り返さなければならない。130kgととても重いから業者に頼むことにした。毎日クロネコヤマトは来てくれるから配達を依頼した。運転手さんは、それだけ大きいと引越しの担当になると教えてくれた。早速引越しの係りに連絡すると、精密機械は扱いをやめて、運送業者を紹介すると言われた。その手の業者を知らない僕は助かった。程なく業者から連絡が入って運賃の見積もりが4万7000円だと教えてくれた。僕は驚いてその数字をオウム返しで叫んでしまった。相手も慣れているのか、驚きを理解してくれて、クロネコを通しているからそのような値段になると説明してくれた。そう言われると誰もが同じ質問をすると思うが「クロネコを通さなくてお宅に直接依頼したらいくらになりますか?」と尋ねると、これまた誰もが答えるように「そうした依頼は受けられないのです」とやんわりと丁寧に拒否された。対応してくれた人たちは皆親切で丁寧な方ばかりだったが、予想をはるかに越える金額だったから答えを保留した。
 こうなれば他を探してみようと珍しく僕としては行動を起こした。そこで、これまた配送にやってくるオカケンと言う業者の運転手に尋ねてみた。彼は早速会社に連絡してくれて、女性から連絡が入ってきた。ところがこの女性が、まるで近所のおばさんの様な喋り方をする。とても客に話しているような言葉遣いではない。そして僕の依頼内容を確認すると専門の係りに代わってくれた。ところがこれもまた、担当の若い男性が丁寧な喋りに慣れてないのかとてもぎこちない応対だった。途中でもういいと言って電話を切りたいくらいだった。ただ、4万7000円に抵抗を感じていたので耐えた。そしてその忍耐のおかげで、僕は3万7000円も倹約できたのだ。同じ所に同じ条件で運ぶのに片や4万7000円、片や9800円。この驚くべき差は何だ。
 そして先ほどオカケンの車が我が家の倉庫に横付けされた。依頼して2日目だから早い。電話の時には土曜日になると言っていたのだが。そしてまたまた来た。大きなトラックから降りてきた僕より年上に見える運転者が「ここでええんかな?(こちらの依頼ですか?)」もうトリプルだ。こちらも慣れてしまったから、どうにでもしてくれと言うところだ。ところがこの男性、手際がとてもよくて、またトラックの装備もそういった用途の為に出来ているのか、なんとあの130kgもあるものをものの数分でトラックの荷台に積んだ。娘とともに見ていたが、感心するばかりだった。
 昔は岡山県貨物と言う運送会社だったが、今は名前を変えてオカケンだ。ただ名前を変えても僕らが昔から馴染んでいる岡山県貨物と同じだ。牛窓出身の運転手も沢山いて馴染みの人が多かったが、全国展開の大手運送会社の陰に隠れてよくも潰れないなと心配になるような会社だ。それがしぶとく生き残っているのは、不器用な社員達の「誠実」のおかげではないかと思えた。規模や知名度、何をとっても勝てそうにないローカルな会社が潰れずに残っているのは、僕の薬局に重なる。僕の薬局もまた、力はないがせめて誠実であることだけは公言できる。
 浮いた3万7000円は勿論和太鼓のチケット代にまわす。明日かの国に2人帰り交代で3人やってくる。20人分くらい和太鼓コンサートのチケットが買える筈だ。オカケンさんありがとう。 
 




2017年04月12日(Wed)▲ページの先頭へ
翻訳
〇ーちゃんへ
よく頑張りましたね。貴女の人生にとってこの日本での3年間は、どんな意味がありましたか。若いときに多くのものを経験し、知
識を増やすチャンスに恵まれたのは幸運でした。〇〇〇〇に帰ってから3年間の経験がとても役に立ちますよ。寮に行くといつも貴
女が出迎えてくれました。お父さんは、貴女の強くて優しい目がとても好きでした。お父さんが運転しているときに、みかんを次か
ら次に口に入れてくれたことを覚えています。楽しかった日々をありがとう。もっともっと幸せになってすばらしい人生を送ってく
ださいね。いつかまた会える日を楽しみにしています。
お父さん

〇〇さんへ
よく頑張りましたね。貴女の人生にとってこの日本での3年間は、どんな意味がありましたか。若いときに多くのものを経験し、知
識を増やすチャンスに恵まれたのは幸運でした。〇〇〇〇に帰ってから3年間の経験がとても役に立ちますよ。貴女は好奇心がとて
も強く色々なところに一緒に行き、色々なものを楽しみました。お父さんも貴女の様に和太鼓もベートーベンも小旅行も喜んでくれ
る人との行動は楽しかったです。最初に丸亀に行った時に、商店街を歩いているときに、貴女が突然腕を組んで歩いてくれました。あなたの国の女性はこんなにフレンドリーなのかと驚きました。人と人との近い関係を体験させてもらいました。楽しかった日々をありがとう。もっともっと幸せになってすばらしい人生を送ってくださいね。いつかまた会える日を楽しみにしています。
お父さん

 先日、通訳だった赤坂工場の女性には日本語だけの手紙を、機上で読んでと渡した。今回は、日本語が出来ない二人に手紙を書いた。上記の文章だが、それを次女三女にかの国の言葉に翻訳してくれるように渡した。1時間くらいして3階から降りてくると、かの国の言葉が日本語の下に書かれていた。そしてその手紙を渡してくれるときに、2人でみかんを口に運ぶ動作や、手を組む動作を繰り返し、ニヤニヤとしながら母国語でなにやら話していた。言葉は分からないが、二人のニヤニヤでおよその想像はつく。鼻の下を伸ばしたのだろうくらいのことだが、幸運なことに僕はもう若くないから、心の底からオトウサンなのだ。彼女達も100%それだと思うし、ぼくも100%それなのだ。若くないことが幸いして、それこそ無償の愛を貫ける。それが本当に分かっているのは実は次女三女のはずだが、この2人の面白いところで、僕の前で素直になんてならない。遠慮もしないで言いたいことを言う。腹を割ることが苦手な日本人には、違和感はあるが、それでますます仲がよくなる国民性を見せられると、あちらのほうがいいのではないかと思ったりする。
 3年間一杯働いて、沢山のお金を家族の元に持って帰る。帰国する日を指折り数える姿を見るにつけ、微力ながら日本での思い出作りに協力できたことを嬉しく思う。


2017年04月11日(Tue)▲ページの先頭へ
一緒に
 僕は、これまでこんなに美しい人を見たことがあるのだろうかと自問自答しながら向かい合っていた。ゆっくりと搾り出すような言葉をひとつたりとも聞き漏らさまいと、懸命に耳を傾けた。いくら美貌に恵まれている人でも、いくら知性に恵まれている人でも、いくら経済的に恵まれている人でも、その人が負っている苦悩に比べれば取るに足らないものに思えてくる。
 その人の繊細すぎる感性を解き放つ力を僕に与えて欲しい。いつか又、一緒に笑うことが出来る日々を与えて欲しい。これからの時代を生きる青年にとって、人生は苦行の連続でも、時には鳥と出会い、風と出会い、光と出会うことを知ってほしい。そして鳥と語り、風に抱かれ、光に優しく包まれて欲しい。


2017年04月10日(Mon)▲ページの先頭へ
死亡率
 肺がん・胃がん・大腸がんは、日本人男性におけるがん関連死亡原因のトップ3となっている。北里大学の江口 尚氏らは、これらの3大がんによる死亡リスクが高い職業および産業を特定することが、健康に関する社会的マーカーを解明するための第一歩であると仮定し、調査を行った。日本人男性(25〜64歳)における3大がんによる死亡リスクの職業および産業別の差異について、2010年の全国職業調査データおよび産業別死亡率データを用いて検討した(調査対象:2,697万4,828人)。
 
 毎日ウツウツと暮らしている人や過敏性腸症候群の方から、仕事を辞めたいという相談を受けることがある。ご本人は心情を吐露しているだけかもしれないが、根がまじめ?な僕は真剣に考えてしまう。ただ僕も何処まで入っていけるのか自信がないので負う責任の大きさに時にたじろぐ事もある。ただし、周囲から余程追い詰められている場合は別として、ほとんど自爆に関しては仕事を辞めるのをもう少し先延ばしにしてもらうことが多い。と言うのは仕事を辞めて、経済的に追い詰められた方が、元々のウツウツや過敏性腸症候群より数段辛いのではと思うからだ。せっかく手にしている働き口を心理的な窮屈やお腹の為に、手放していいのだろうかと思ったりするのだ。その僕の考えにお墨付きを与えてくれるようなデータが出た。以下に載せているガンの死亡率についてのデータだ。このデータは最も多い「製造業」を対照分類としている。

 
主な結果は以下のとおり。

<職業・産業別の死亡率>
・肺がんおよび大腸がんの死亡率は、職業別では「行政・管理」、産業別では「鉱業」の男性で最も高かった。
・胃がんの死亡率は、職業別では「農林水産業」、産業別では「鉱業」の男性で最も高かった。
・「失業者」の3大がんによる死亡率は、全職業・全産業の中で最も高かった。

<職業・産業別の相対死亡リスク>
・職業別の3大がんによる死亡の相対リスクは、「サービス業」、「行政・管理」、「農林水産業」、「専門職・エンジニア」の男性で高かった。
・産業別の3大がんによる死亡の相対リスクは、「鉱業」、「電力・ガス」、「水産業」、「農業・林業」の男性で高かった。

<製造業を対照とした職業別の死亡率比>
・失業者:8.07〜11.40倍
・サービス業:2.96〜3.65倍
・行政・管理:2.42〜3.49倍
・農林水産業:2.11〜2.49倍
・専門職・エンジニア:1.99〜2.48倍
・建築・鉱業:1.35〜1.61倍
・営業:1.06〜1.29倍
・運輸・機械操作:1.05〜1.31倍
・事務:0.74〜0.87倍
・警備:0.61〜0.79倍
・運送・清掃・梱包:0.53〜0.64倍
 

 これを見て早速自分の属するところを探していると思うが、圧倒的に多いのは失業者なのだ。職業や産業別の分類など吹っ飛んでしまいそうなくらい失業者のガン死亡率は高い。悪徳企業でなければ仕事はするべきなのだ。仲間からの圧迫でなく自爆だったら、やはり仕事はするべきなのだ。日々調子の悪さを嘆くことなど比べ物にならないくらいの病気を呼んでこないために。


2017年04月09日(Sun)▲ページの先頭へ
宣伝
 わざわざ助手席を選んで優先的に乗せて上げているのに、扉を閉めた瞬間からウェ、ウェとえづく。世界で一番乗り物に弱い人だとギネスに登録してもらいたいくらいだ。だから恒例の帰国前の京都旅行も辞退した。彼女が行かなければ私もと計3人が辞退して、今度の秋の京都旅行はなくなった。倹約できてありがたいが、今まで20人以上連れて行ってあげているので、何となく公平でないような居心地の悪さを感じたので「何処だったら思い出を作れる?」と尋ねてみた。すると無類のお花大好き人間の彼女はチューリップを見たいと答えた。これなら簡単だ。恐らく数年前からこれもまた恒例にしているドイツの森のことを指しているのだと直感でわかった。去年も一昨年も、車に弱いことを理由に参加しなかったが、同僚の写真を見て車酔いのリスクを犯してでも最後に見たかったのだろう。
 お花大好き人間を、お花どうでもいい人間が案内するのだから、余程有名なところしか知らない。そうしてみるとドイツの森はうってつけだ。場所が田舎で道中が混まない。施設内も人がまばらで混雑しない。入場料が安い。そこそこ花がたくさん咲きそれなりに管理が行き届いている。アトラクションが大人が楽しめるようなものが少なく、自然を満喫することに専念できる。
 褒めているのかけなしているのか分からないかもしれないが、僕が言いたいのは「僕にはうってつけ」かの国の女性が門をくぐり眼前に広がる花を見た瞬間に歓声を上げたくらいだから「無類の花好きにもうってつけ」ってことだ。ただ僕には解せないことが1つある。今こうして今日のことを思い出しながら文章を書いていても気にかかる。それはチラシやホームページの宣伝で唄っている「チューリップ5万本、菜の花50万本」誰が数えたんじゃあ!


2017年04月08日(Sat)▲ページの先頭へ
国に帰る貴女に
〇〇さんへ
 お父さんは、多くの貴女の国の若者を見送りましたが、感謝のうちに見送るのは初めてかもしれません。貴女が、母(おばあちゃん)に示してくれた愛情は、僕の家族の誰よりも深く純粋でした。貴女の天真爛漫さは、傍にいてとても癒されたし感動的でした。どのように育てられたり、育てば、そういった性格になるのだろうと、いつも不思議に思っていました。それこそ天性のものなのでしょうか。
 この国の3年間で、貴女が何を感じ、何を得たのか分かりませんが、牛窓と赤坂では会えるチャンスが少なくて歯がゆく思っていました。近ければもっともっと貴女には体験してもらいたいことがありました。物に囲まれ、人から逃れ、傷つけあい、とても生き辛い国に来た貴女には今のこの国はどのように見えたのでしょう。恐らく貴女方の国の数十年先を演じている姿は、綺麗だったでしょうか、感動的だったでしょうか、それともこっけいだったでしょうか、哀れだったでしょうか。
 お父さんは、貴女がおばあちゃんに抱きつき頬ずりし溢れんばかりの笑顔で話し続けてくれたことを決して忘れません。今でも鮮明にあの時の光景が浮かんできます。恐らく遠くで暮らすようになっても折々に触れ貴女を思い出し感謝すると思います。貴女が何かのきっかけで日本に来、そして僕の前や母の前に現れてくれたことに感謝します。
 これからも元気で幸せに暮らしてください。いつかまたお会いしましょう。貴女の国か僕の国で。
                                                日本のお父さんより




2017年04月07日(Fri)▲ページの先頭へ
無防備
 およそ20年ぶりくらいに牛窓署に帰って来た警察官がいる。妻の親類にあたる人で、転勤する前まではよく我が家にも寄っていた。県内を何箇所も転勤を繰り返していたらしいが、いよいよ最後の御奉公の場所として牛窓に帰ってくることが許されたらしい。牛窓署に帰って早速挨拶に来てくれたらしいが、丁度僕がいなくて、名乗らずに帰ったらしい。当然応対した娘婿など知るよしもなく、僕に報告してくれることもなかった。漢方薬をとりに来た人くらいの認識だったのだろう。
 4月から牛窓署に帰って来たのだが、なんとも牛窓は静かで事件が少ないみたいだ。夜の8時になれば深夜だし、仮眠も十分取れる。牛窓と同じくらいの規模の署もいくつか経験しているが、牛窓署は圧倒的に静からしい。牛窓より規模が小さいところでも事件がしばしば発生して忙しかったところもあると教えてくれた。都市部になったらいわんやおやだ。僕に、20年近くの間に牛窓も過疎化して大変でしょうと言ってくれたが、僕は全く大変ではなく、むしろ住みやすくて歓迎だと答えた。すると彼も、「環境はお金で買えないし、海や空気もお金で買えないから価値があります」と言った。それはそうだろう、彼はそれに価値を置いて牛窓に20年前に家を建て、単身赴任で県内を回っていたのだから。
 彼の脳裡には、薬局をやっていくにはかなりのハンディーがある土地と映ったのだろう。確かにその側面はある。薬局の前を一日何人の人が歩くだろう。だけどそれよりも僕が重視するのは、薬局の前を一日何人の悪人が歩くだろうということだ。ほとんどゼロに近いのではないか。そうした心の平安こそがお金では買えないはるかに高尚な価値なのだ。まるで無防備で安心して過ごす事が出来る、この脱力感に勝る恵みはない。
 専門用語を駆使して何かを売りつける、医者におべっかを使って処方箋をまわしてもらう、どちらも僕がやりたくないことだ。まるで冗談のように、しかししたたかに健康を取り戻す。そうした営業が許されることに感謝だ。



2017年04月06日(Thu)▲ページの先頭へ
奴隷制
 「本人の責任だろう、裁判でも何でもやればいい」と言われて、福島から脱出している人たちは耐えられるのだろうか。はい、耐えられる。事故後の避難者を見ていて、なんて心優しいのだろうといつも感じる。残っている人たちはなおさらだ。
 僕は今度のニュースで初めて嫌村復興相と言うのを見たが、他の大臣と同じように阿呆顔をしている。こんな人間に復興を任そうなんて国民は人がよすぎる。もっとも復興大臣と言うのは東電を復興するためのもので、福島を復興するためのものではない。だからいくら被爆しようが安心だから帰れといって、東電をはじめとする原子力村を守る。
 家や土地や仕事を奪われ、家族がバラバラになる。それでも文句を言わずに耐えている。僕には分からない。正義と言うものが行われるなら、少なくとも原発を推進した痔民党や金平糖や眠深党の告解議員たちは死んでいるものは仕方ないが、生きているものは監獄行きだろう。盗人の首領は勿論打ち首獄門だ。果たしてこれだけの危害を及ぼした人間たちが罪に問われないなんてことがこの世にあるのだろうか。戦争犯罪人が罪に問われないことがあるのだろうかと言う問いと同じだ。
 心優しい国民のおかげで、いや臆病な国民のおかげでアホノミクス一派はやりたい放題。僕達世代は幸運にも戦争を知らずに暮らして来れたが、これから先は分からない。攻めてくるか来ないか分からないような敵国より先に、国民は思いあがった奴らやその太鼓もちに攻められている。このままだとあいつらのお友達以外は奴隷制復活だ。




2017年04月05日(Wed)▲ページの先頭へ
万引
 今朝の毎日新聞の三面に大きく取り上げられていたニュースがある。県内版ではなく全国版だ。大見出しは「留学生を万引き集団に」と言うもので、小見出しは「ベトナムから指示」とあった。そしてその舞台になったのが岡山県内の日本語学校だ。恐らくその学校は僕がよく知っていて、胡散臭さに少しでも早く次女三女を抜け出せたかった学校だろう。事件はその学校だけでなく、ほとんど同じ穴の狢化している他の学校でも起きていることだと思う。しばしば目にするし耳にもするから。
 大阪府警がドラッグストアなどで万引きをしていたベトナム人留学生7人を捕まえた。彼らはベトナム在住の女の指示で万引きをし、帰国する人間を運び屋にしていた。万引きした額は130万円と言うが、ベトナムでの価値は1000万円近くになるのではないか。学費や生活費を稼ぐためと言っているらしいが、そもそも勉強する気などほとんどの学生がもっていない。僕は次女三女が再入国したときに、その学校の寮に引越しの手伝いに行ったが、既に日本で学んでいた?青年達に知的な好奇心など何もないことを知った。それよりも週28時間と言うアルバイトの時間制限を越えて、働きまくっていた。仕事は新聞にも出ていたが深夜のコンビニ弁当作りだ。車に乗せられ、工場に行き徹夜で働いて朝帰る。その職場は日本語学校の斡旋で、グルだと言っていた。いわば学校を隠れ蓑した人材斡旋業なのだ。元々勉強などさせるつもりも無い。日本に来るにあたって、業者に信じられないくらいの金を払って、借金まみれでやってくるから、どんな過酷な仕事でも耐える。1年働いて元を返し、2年目からが自分の金になる。日本で稼げば向こうに持って帰れば相当な金額になるから大抵のことなら我慢する。
 国内の日本語学校の学生は昨年ベトナム人が中国人を抜いて25000人でトップだ。日本語を話せる人材が求められているというが、ほとんど人間は悪徳業者の「日本に行けば金が稼げる」と言う口車に乗っている。学生が集まらない学校、深夜の弁当工場、現地の悪徳商法、この3つが揃って今の状況を作っている。このまま、「日本人が働かないから、貧しい国の人間を呼んで低賃金で働かせよう」などと、企業だけにとって都合の良いことを続けていると、きっと近い将来とんでもない社会的な混乱が起こる。良質な人間を呼ぶのならいいが、その国でも活躍できないような人間ばかりをかき集めて来ている。そうした人間が隣近所に、それこそ何千人単位で暮らす姿を想像できるだろうか。うまくやっていけるなどと幻想を抱いてはいけない。結束力が比べ物にならないくらい強い人たちに、個人主義の今の日本人が太刀打ちできるはずが無い。
 次女三女が、現在のベトナムのことや日本での生活について赤裸々に語ってくれる。一緒に暮らし始めて、人間関係を粉飾する必要が無いことがわかったのだと思う。それによると、今ベトナムにいる友人に日本に来なさいなどと決して言えないそうだ。日本の構造的な汚さを見るにつけ、再来日したことを後悔する事もあるという。「私達は貧しいですから仕方ない」としばしば口に出すが、自分に言い聞かせているように見える。日本人がしたくない仕事をする羽目になった再来日を後悔している。母国ではもっともっとクリエイティブな仕事をしていたのに、今では金持ちと年寄りの世話だけだ。
 それなりの知識や技術を持った青年が日本にやって来て、それなりの生産活動に励み、尊厳を持って暮らすことが出来る。日本人もそれらの人たちを恐怖せずに暮らすことが出来る。少なくとも、最低限この線を維持しなければ、何千年培ってきた共同体が破壊される。池の中でブラックバスに駆逐された在来種の運命を今度は日本の人間と言う動物が辿る。
 日本人にも当然天地の差がある。それは致し方ない。ただ人為的にできることだから、少なくとも入国は天に近い人たちに絞るべきだ。あのひらかれたEUの人たちでも本音はアイヌと大和と沖縄の人たちだけの国を羨ましく思っているらしいから。
 毎年恒例の京都旅行の度に感じる。アジアの人間達特有の喧騒、白人と日本人以外8割がアジアの人達かと言う割合、あの景色が自分の町だったら耐えられるのかと。


2017年04月04日(Tue)▲ページの先頭へ
自慢
 数日前分と今日のを合わせると20個以上持って行ったことになる。ことの発端は、「オトウサン コレ キレイニナル」と言って見せてくれたのが、ドラッグストアで買ったコラーゲン入りの健康食品だ。一つはビンに入っていて薬っぽいが、もう1つはお菓子かと言うような代物だった。これで綺麗になれるなら、僕は今頃銀幕の中だ。
 「コレ、ウッテマスカ」と尋ねられてすぐに無いと答えたのだが、ひつこく聞いてくる。そこで、こんなコラーゲンが入っているかどうか分からないようなものでなく、高濃度のものだったら薬局にはあると言うと、どうしても欲しいらしい。僕のところにはしっかりとした製薬会社が作っているコラーゲンがあり、漁師の奥さんや農家の奥さんが主に服用しているが、どちらも日光によくあたり深い皺を覚悟しなければならない職業の人たちだ。また過酷な仕事で膝をほとんどの方が傷めている。そういった目的で飲んでいるのだが、かの国の女性達は若くて綺麗だ。「それ以上綺麗になってどうするの?」と冗談でかわしても欲求をくじくことは出来ない。コラーゲンを摂ったらコラーゲンになるということもないと説明しても俄然欲しがる。何処でどうインプットされたのか分からないが、もうほとんど効果が神格化されている。あたかも侵してはならないもののようだ。仕方なく、低級なものを買わせるよりいいかと思い承諾したが、我先に注文をくれる。でもさすがに僕も気が引けるので「こんなに若くて綺麗なときに飲んでも何の恩恵もないから、帰国して50歳くらいになったら飲んで」と言っておいた。「ワカッタ、ワカッタ」と口々に答えたから、それぞれの希望の数を聞いて帰った。
 数日後、寮に持って行くと我先に箱から自分の注文の数だけ取り出した。そして一斉に開封して食べ始めた。(このコラーゲンは美味しいから食べればいい)「何が50歳になったらじゃあ!」とあきれ声を出したが、お構い無しだ。「これじゃあ、国にもって帰る前に無くなってしまうよ」と言っても多勢に無勢、もう止まらない。
 日本でもまだ健康食品なるものを信奉している人はいるが、基本的には胡散臭いということは知れ渡った。不安を解消するためにだまされてもいい程度の金額を投資している。行き場を求めて外国に進出しているのだろう、日本製は安全と言う神話も手伝って、健康食品もどきの人気がすごい。コラーゲンもその1つだろう。何十年も先を歩いている人間から見ると、現在進行形でだまされている人を見るのは気の毒でならない。胡散臭いものを、肉体を提供して捨てさせているみたいなものだ。自分の体を消費地として提供しているようなものだ。
 後進国に比べればさすがに技術は進歩している、ただし心がそれだけ進歩したかと言うと、それは怪しい。むしろ物欲に支配され権利ばかりを口にするようになった同胞を自慢することはできない。多くの人が同じ思いではないか。だから富士山や京都の景観や奈良のお寺を自慢する。



2017年04月03日(Mon)▲ページの先頭へ
暴露
 食事中、僕の正面に腰掛けている次女の動作が何となく緩慢だなあと思って見ていた。介護施設で朝からアルバイトをし、夕方帰ってくるとそのまま自転車でリゾートホテルにアルバイトに行く。帰ってくるのは夜の10時頃だ。さすがに疲れるだろうと思うが、春休みは彼女達にとって稼ぎ時だから、心配しながらも見守ってやるしかない。日本に再び来るにあたってそれなりに覚悟はしているだろうから、必要以上甘やかさないように心掛けている。全てが将来の肥やしになると思っているからあえて冷たくもする。
 ただし、昨夜の彼女はちょっと心配になるくらいだった。顔も熱があるのかと思うくらい赤い。食欲もあまりないみたいだ。隣に腰掛ける三女の食べっぷりとは全然違う。そこで大丈夫かと聞いてみた。すると本人でなく三女が「〇〇ちゃん大丈夫。お酒を飲んだ。だから顔赤いです」と答えた。「なーんだ、心配したじゃないの」と僕は答えたが、そのお酒を飲んだ理由が面白かった。
 彼女達がアルバイトをしているのは僕など利用できない高級リゾートホテルだ。コーヒー1杯が、僕の1日分の食費より高いレベルだ。そこでお金を払って酒を飲むようなことは彼女には出来ない。でも飲んだ・・・・勉強のため?
 そう勉強のために飲んだらしい。次女も三女もなかなか美人だからホテルではバー?を担当することがある。次女は昨夜カクテルを客に頼まれたのだが、レシピに従って作ったけれど出来栄えが不安だったらしい。そこで同じものを作って飲んでみたが案の定間違ったみたいだ。そこでやはり練習をしておかねばと次々レシピに従ってカクテルを作り試飲を繰り返したらしい。その結果が僕の心配だったのだ。勉強のためなら仕方ない。羨ましい勉強だ。
 三女が暴露したから次女は喋りやすくなったのか「間違っても、お客さんわからない」とホテルにばれたら首になるようなことを教えてくれた。僕みたいにそんなもの呑んだことがない人間だったら分からないかもしれないが、金持ちしか泊まれないようなホテルで実際にそんなことがあるのかといぶかしく思っていたら、次女も「本当、お客さん、わからない」と言った。なんだか自信を持たせてくれるような内部告発だ。フォークも使えない、食べる順番も判らないような生活をしてきているので、その種の場所では気後れしてしまうが、ひょっとしたら同じようなもの?格好だけ?などと思えれば随分と気が楽だ。分不相応が極端に嫌いだからそうしたところに行くことはないが、無駄なコンプレックスも持たなくてもいいとなればもっと自由になれる。
 2つのバイトを掛け持ちして頑張り、僕のコンプレックスを取り除いてくれた。今日は食卓にイチゴを沢山並べてあげた。


2017年04月02日(Sun)▲ページの先頭へ
消息
 面白いタイトルだったので、つい最後まで見てしまった。関東に異変が起こっているというのだが、その1つが高校野球で関東のチームが全く力が出ていないというものだ。僕は高校野球に関心がないから全く勝敗を知らないが、なんでも、西のチームの勝率が高くて、関東のチームはあまり勝ち上がってこなかったそうだ。
 2番目の異変は、有名な将棋の名人が対局中に居眠りをしたそうだ。それも自分が指す番に。これまた素人過ぎてよく分からないが、棋士は居眠りなんかしないものらしい。確かに僕は漢方の勉強会では居眠りするが、患者さんを前にしてそんなことはしないし、出来るものではない。嘘か本当か知らないが、関東では白昼車が通る道路で居眠りをする人がいるらしい。
 そして3つ目は、著名人に癌になる人がとても多いと言うこと。何人かの名前を挙げていたが、さすがに有名人だけあって全員知っていた。テレビにしばしば出てくるタレントや俳優達だ。僕はその人たちに全く興味がないが、1人だけ、名前を挙げられていたことに違和感を持った人がいる。ただ、僕にとっては不愉快な違和感ではない。青春時代、憧れていたフォーク歌手の名前だ。レコードもほとんど買ったし、ライブにもよく行った。お金に苦労していた頃の数少ない無駄?遣いだった。その人の名は加川良で、際立って歌唱力がある人だった。そして彼が今患っているらしい病名が急性骨髄性白血病。
 このユーチューブに投稿されたものを作った人は恐らく僕と同世代の人だ。加川良を知っていること、それも現在の彼の様子を知っている人だからかなりのファンだと思う。そして彼が一番懸念しているのが、放射能の影響を関東の人が少しずつ受けているのではないかと言うこと。福島の事故の後きっと何年後かにゆっくりと影響が出てくると予想していたらしいが、その気配を感じているみたいだ。国は不都合なことを全部隠すが、今回のアッキード事件を見れば明らかだが、隠し切れない人的被害がこれから起こってくるかも知れない。基準を変えて安全宣言を出す殺人集団に、関東の人はじわじわと傷めつけられないかと懸念しているみたいだ。
 思わぬところで嘗て大ファンだった歌手の消息を知った。スポーツ選手や芸能人などの多くが東京圏に集中していることから割り出した推測だが、単なる心配しすぎで終われば、それが一番いい。
 


2017年04月01日(Sat)▲ページの先頭へ
エネルギー保存則
 田舎の役所でもあるんだ。役人になりたがる人間はそうした素質を持っているのか。それともそう言う色に染まりやすいのか。
 定年退職した人が、ある公的機関に再雇用された。教育畑40年のベテランだ。ところがその役所での待遇が人格攻撃並だそうで、唇をかみ締めながら耐えたそうだ。その挙句に僕に漢方薬を依頼しなければならないほど追い詰められた。僕は訴えの症状だけで漢方薬は作れるが、黙っておれなかったのだろう、いきさつを詳しく教えてくれた。脚色があるのかどうか分からないが、冒頭の感想が頭に浮かぶくらいだから、テレビで見聞きすることの再現だ。
 国や府の疫人は、自分達がまいた種なのに、如何にも正義面してアホノミクスの親友学園の査察に入るというのだから、勝手なものだ。国民は全てお見通しなのに、性根が何処まで腐っているのだろうと思う。まず自供から始めろといいたい。たかが疫人のくせにと言いたいが、たかが疫人だからやりたい放題なのだろう。太鼓もちに成り下がった彼らに、隣の国の検察の度胸を見習って欲しい。嘘をつきまくった大統領を逮捕して刑務所に放り込むのだから、国民の溜飲も下がるだろう。この国も同じような嘘をつきまくっている人間がいるではないか。
 人間関係も余程の人格者か余程自分を律することが出来ない限り、エネルギー保存則そのままに振舞ってしまう。どこかで頭を下げれば、どこかで頭を下げさせる。どちらの姿が本当かと聞いてみたくなるが、聞くまでもなく後者だろう。哀れなものだ、その程度でしかバランスが取れないのだから。頭を下げる人も、頭を下げさせる人も所詮、頭が下がる人には勝てない。


   


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■店舗名■
有限会社 栄町ヤマト薬局

■住所■
〒701-4302
岡山県瀬戸内市 牛窓町牛窓4808-3

■連絡先■
[TEL] 0869-34-5466
[FAX] 0869-34-6017
[E-mail] ご相談はこちら
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