栄町ヤマト薬局 - 2016/04

漢方薬局の日常の出来事




2016年04月30日(Sat)▲ページの先頭へ
未熟
 最近ふとしたことで頭をよぎることがある。多くはウォーキングをしている時だが、仕事中にも時にある。
 数年前までは妻と2人きりで生活していたから、3階は完全に空いていた。だから、トラブルを抱えた青年達がしばしば訪れて泊まっていった。1日の人から2週間の人まで、1度きりの人から何回か繰り返した人までさまざまだ。必ずしも実際に会わなければ漢方薬が作れないと言うことはなく、直接会いたいという要求をこちらがしたことはない。全て患者さんからの要望だが、治療と言う行為をはるかに越えて、人と人のつながりが出来てとても有意義だった。
 この数年それが出来なくなって、心苦しく思っている。会って悩みを僕に打ち明けるだけでも楽になることも多く、相談机をはさんで白衣を着たままかしこまったよくある風景では解決できないことの一助になればと思っていた。そんな嘗ての舞台設定をもう一度出来たらなと思うようになった。家族が戻ってきたのだから仕方ないと今まではクールに考えていたが、最近そのスタンスを維持できなくなってきた。何とかならないものだろうか、何とかできないだろうかと思うことが増えた。
 この年齢になると、もう欲しいものなどなくなってくる。若いときからそうだったから、今更欲しいものなど思いもつかない。しいて言うなら・・・・しいても言えない。むしろ失くしてもいい物が増えてきて、青年期のような身軽さにあこがれてくる。大学を卒業して5年間暮らしたアパートを出るときに、牛窓に送った荷物が布団袋1つ分だったあの頃に戻りたい。熊本の映像を見てその思いに再び火がついた。
 多くの物を捨てて、再び青年達を招き入れる空間が作れたらいいのにと思う気持ちが徐々に強くなり、アイデアが頭に浮かぶことが多くなった。決断すればすぐにでも実現しそうな物件があるのだけれど、とても家族の理解が得られるようには思えない。老後にどのくらいお金が必要なのかわからないが、自分に使うお金では人様の役になど立てれない。アホコミに取り上げられるヒーローには僕たちはなれないが、手を伸ばせば届く範囲くらいなら「世の為人の為」の真似事くらいは出来る。
 決断できない自分の未熟さを嘆いてばかりだが、残り時間が無限にある自分ではなくなっている。誰か背中を押してくれないかなあ。


2016年04月29日(Fri)▲ページの先頭へ
風人
 なるほど、これなら日本人の男性に求婚されるはずだと思った。
 今日初めて一緒に行動した3人のかの国の女性達は、時々訪ねる寮で会った女性達だ。職場は違うが、同郷のよしみで時々遊びに来るらしい。
 今日藤祭りの重要イベントで行われる和太鼓演奏に誘うために訪ねたのに仕事だと分かってがっかりしているところに3人が入ってきた。折角きれいな藤と和太鼓を楽しむことが出来るのだから僕1人で訪ねるのはもったいない。そこでその3人に打診してみると、丁度休みで、おまけにすることがなかったみたいで、すぐに快諾してくれた。聞けば来日してから必要最低限の行動しかしていなくて、日本の文化にはほとんど触れていない。
 和太鼓が国境を超えることは何度も経験しているが、今日もいともたやすく越えてくれた。初めて目にし耳にするものだが期待以上に感激してくれた。今回の女性達は、3人とも日本語がとても達者で、関西のお笑い芸人の司会が分かるみたいで、ほとんどのギャグに反応していた。その上、感動を素直に表すことが出来るみたいで、僕も負けそうな声援を送ってくれていた。彼女達もまた、そうすることで演者にエールを送ることが出来ることを知っていた。「日本人はおとなしい」という感想がそれを物語っている。
 島根県から来た和太鼓の演奏者も素晴らしかったが、僕は「風人」がよかった。今まで何回か聴いたことはあるが、全部コンサートホールの遠くからだった。ところが今日は間近で見、聴くことができた。男性も上手だが、女性は、県内では一番上手だと常々思っていた人で、息の整え方や、体の消耗を楽しむかごとくの充実した気力なども感じることが出来て、想像をはるかに越える努力の結晶を見せて、聴かせて頂いた。
 こうした具体的な感動まで、初めて一緒に行動をともにした3人と共有できたのだ。日本語をかなり操ることが出来る努力、そして溢れんばかりのユーモア、日本人が忘れがちな謙遜、そして感性。来日してまだそんなに月日が経っていないのに、日本人からプロポーズされるのはよく分かる。ただし、確固とした目的を持って生きている人の美しさが見えない男性にはその資格はない。
 


2016年04月28日(Thu)▲ページの先頭へ
地震予知
 思わず熊本市の16日の天気を調べてみた。晴れだった。なんだか信憑性が増してきた。僕は当日前線が近づいてきていて、痛みの病気を持っている人がかなりの確率で起こす症状だと直感的に理解したのだが、目の前の女性二人があまりにも症状の一致で盛り上がったので、少しばかり興味を持った。もちろん薬剤師としてだが。
 明日から連休が始まるからだろう、気を使った人たちで若干込んでいた。相談机の正面に2人の女性が腰掛けて僕と話を始めたのだが、視界の向こうには2組が待っているのも分かっていた。ただ、目の前の二人はそれぞれ痛みのトラブルを抱えていて、2人とも普通の人が遭遇するようなレベルではないので、僕は腰を据えて二人の話を聞いていた。2人とももう何度も来てくれている人たちだから、性格もよく分かっている。そんな2人が、「私たちみたいな症状を持っていると避難所には行けない。テレビを見ていてそう思った」と話し合っていた。そしてどちらからともなく「熊本で地震があった夜は、今まで経験したことがないくらい疼いた」と言った。片や首で、片や股関節なのだが、首や股関節を切り離したいくらい辛かったそうだ。
 2人はよそ様の不幸で冗談を言うような人ではない。話し方などでもそれが事実だと言うことは明らかだ。ただ、地震で痛みが増幅すると言うことは普通ならありえない。まして遠くの地震で。だから僕はすぐに気圧のせいだと思ったのだ。ところが当日は晴れていたらしいので、否定する材料がなくなった。自分達の体調報告はそっちのけで、当夜の疼き方で盛り上がる二人を見ていて、ひょっとしたら大発見かもしれないと思い始めた。動物が地震の前兆を察知して異様な行動をするのと同じように、人間も傷を持っている人は何か察することが出来るのだろうかと、薬剤師の端くれらしい発想をしてみたのだ。もしこの二人以外に同じような経験をしている人をある程度見つければ、新たな地震予知に道が開ける。薬剤師の端くれ魂に火がついて、そして5分で消えた。
 次の患者さんの問診を始めたら忘れてしまった。火がつきやすく消えやすいのは青年期から同じだ。元々火もつかなければ楽なのだが、火だけはついてしまう。こうして僕はありとあらゆるチャンスを失った。


2016年04月27日(Wed)▲ページの先頭へ
便秘
 排便回数は、日本人集団での心血管疾患死亡リスクと関連することが、東北大学の本藏 賢治氏らによる研究で明らかになった。排便頻度によって「1日1回以上群」「2〜3日に1回群」「4日に1回以下群」の3群に分け、循環器疾患による死亡、虚血性心疾患による死亡、脳卒中による死亡との関連を検討した。
 主な結果は以下のとおり。
・「2〜3日に1回群」、「4日に1回以下群」の全体的な心血管疾患死亡リスクは、「1日1回以上群」と比較して、1.21 倍1.39倍

 買い物をしていて2割り増し、4割り増しともなると、かなりの人は飛びつくのではないか。なかなかそんなに条件の良い話がないから、我先にと競って修羅場になる可能性さえある。ところがこれが健康の話となると結構皆さんクールだ。2割高かろうが4割高かろうが、対象に自分が入るとはなかなか考えない。このことはしばしば例に挙げられる飛行機事故と宝くじの話に共通するところがある。飛行機事故は宝くじで一等が当る確率よりはるかに高い確率なのだが、人は自分が乗る飛行機は落ちないもの、自分が買う宝くじは当たるものと考えてしまう。いわゆる都合よく考えてしまうのだが、そうは問屋が卸してくれない。しかし、いくら問屋が卸してくれなくても、人はそうした不安とともには暮らしていけないから、非論理的なものを受け入れてしまう。
 話を便秘に戻すが、3日目の便は多くの毒素を作り始める。血液の中にそれを溜め込むのだから心臓などの循環器系が影響を受けるのは当然だ。僕は、便秘の人に水分と菜っ葉と運動とよく言っているが、なかなか3つがそろうのも難しいらしい。僕は過敏性腸症候群の方をお世話する機会が多いから、大変多くの下痢の患者さんと接する。何十年選手の兵もいるが、それらの人たちが口をそろえて言うことが「便秘になってみたい」だ。しかし、上記のようなデータが出ているのだったら、あながち便秘の人をうらやむ必要はない。僕の観察でも、下痢の人は毒素など溜まる暇もないから、結構長生きする。
 この国を動かしたあの有名なツイッターの二番煎じではないが、毒素を溜めないように「日本 下痢しろ」


2016年04月26日(Tue)▲ページの先頭へ
西瓜
 「店頭に熊本の西瓜があったよ、地震の前に収穫したものかなあ」と妻が買い物から帰って言った。やたら熊本のものが目に付くらしくて、まるでスポーツニュースの取ってつけた熊本出身とか熊本にゆかりのある云々と同列のように響く。ただ、妻の場合は、偽善ぶる必要はないから本心で「あの震災後に収穫して出荷したのなら快挙だ」と言いたいのだと思う。福島産の場合は如何に避けるかだったが、熊本の場合は、如何に協力するかでスタンスが全く異なる。もちろん福島の農家の人に責任があるわけではない。責任は原発を推進してきた政党や政治家や電力会社や、田舎の議員達にある。農家の人もまた消費者と同じ被害者なのだ。何年経っても罪に問われない奴等を見て歯がゆいだろう。片や病気に怯え、片や天寿を全うするなど許されない。
 さて、僕の口に熊本の西瓜が入ったかと言うと残念ながら入らなかった。高かったのか買っては来なかった。地震以降、いやでもスーパーで熊本と言う名前を目にすることが多いらしくて、如何に熊本の農産物が西日本を席巻しているかよく分かったが、必需品以外は買わない家庭だから、牛窓が出荷時期になり農家の患者さんがたくさんくれるまでお預けだ。
 同じ日本の中にいて、例えば東北の地震と、熊本の地震とでは受け止める感覚がかなり違う。今度のことで僕らは西日本の人間なんだと強く感じた。東日本は感覚的にはかなり遠く、報道の中でしか感じることが出来なかった。それに比べて熊本はさすがに西日本で、入ってくる情報に感覚がついていく。今だ訪ねたことはないが、多くを目にし多くを耳にしていたのだなあと思う。
 もう随分前に、2度我が家を訪ね、何泊かしていった女性が今車避難をしている。とても繊細で素晴らしい女性だったが、熊本が僕の心の中でも近いのは、彼女のおかげでもあるのだろう。もちろん福島のように加害者がいないことも大きな理由だが。
 


2016年04月25日(Mon)▲ページの先頭へ
単純
 NHKの籾井と言う会長が「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えることを続けてほしい」と指示していたことが22日、関係者の話で分かった。識者は「事実なら、報道現場に萎縮効果をもたらす発言だ」と指摘している。
 こうしたことを発言し、国の太鼓もちをしていた人間って、事故が起きたときには市中引き回しの上打ち首獄門だと思うが、福島でこの手の人間は今のところ罪に問われていない。これだけ情報が記録され残る時代だから、是非同じ穴の狢たちが事故以前に何を発言し何をたくらんでいたか暴いて欲しい。そして当然罪に問うて欲しい。あれだけの罪を犯して訴えられもしないなら、秘密保護法や自衛隊の海外派遣をもくろんだやつらも将来罪を問われない可能性がある。原発を推進した人間達や秘密保護法に賛成した奴等を是非忘れ去ることなく国民の良識で塀の中に追い詰めて欲しい。
 おりしも、報道の自由度ランキングで日本は72位らしい。と言うことはこの国は、北朝鮮や中国やロシアと似ているってことだ。一見自由そうに見えても世界はそうは見ていない。かの国から来た若者が、自国での言論の不自由さを嘆くが、いずれ日本も落ちって行って同列になりそうだ。アジアの民度の低さは人種の問題かと思えるほどだ。
 世のため人のため。単純にして崇高。現代は、真反対の人間ばかりが大手を振って歩いている。


2016年04月24日(Sun)▲ページの先頭へ
敗者復活戦
 「全国の藤が咲き競う、日本一の藤公園」と銘打ったパンフレットを切符と引き換えに頂いたが、僕には藤の種類がそんなに多いことは分からなかった。ただ定番の紫色のほかに、白に近いものと、形が幾分変わっているものの3種類しか違いは分からなかった。どれを見てもほぼ同じ、公園の管理者には屈辱的な僕の感性で申し訳ない。
 ドイツの森のチューリップで味を占めたのか、藤で名高い和気公園を見つけたらしい。どういう手段で見つけたのか知らないが、正に今しか楽しむことが出来ないから、ピンポイントで探し当てたことになる。情報網が整っているかの国の人たちだから、そちらのほうから仕入れた知識かもしれない。
 僕は29日の藤祭りの和太鼓を聴きに行く予定にしているから、今日は全くの予定外だったのだが、チューリップ組に漏れた人たちの敗者復活に協力しないといけない。どんな理由にしても、何度か足を運んでいると、少しは花を愛でるこつも覚えてくる。いたずらに歩き回るだけだったのが、棚から延びてくる可憐な花に顔を近づけ、匂いをかいだり、造りを観察している自分がいた。今まででは考えられないような自分には不釣合いな姿だ。かの国の若い女性達に感化されたのか、公園に来ていた花を愛する沢山の人たちに感化されたのか分からないが、自然にそうしてしまっていた。
 2週連続で落選した人たちの2回目の敗者復活戦は、来月15日の福山バラ祭りになる。まさかこの歳で花巡りをするとは思わなかったが、この歳だからこそ出来るようになったのかもしれない。体の不都合さえなければ年齢を重ねるのも悪いことではない。知識と経験が積み重なれば、見えないものも見えてくる。見たくないものも見えてくるが。


2016年04月23日(Sat)▲ページの先頭へ
撮り鉄
 信号がない道路を時速70kmで飛ばして30分くらいでつくことができるのだから、どれくらいの距離なのだろう。恐らく家は兵庫県に近いのではないか。
 その若い女性は、僕の薬局がよく利用している薬を作っている製薬会社のセールスだ。大阪市内も自由に車で移動できるくらいだから、バイパスで30分くらい、僕の散歩くらいなものだろう。ただ休日にやって来たのだから仕事ではない。変わった理由で来てくれたのだが、娘達には嬉しい理由だったと思う。
 日本一効く漢方薬を作れる薬局になるという目標は、僕の先生や諸先輩達がいる限り達成できないから、とうに諦めた。そもそも知識で勝負しようと言うのが間違いだから、日本一笑顔がこぼれる薬局にしようとしたが、お客さんの前で跪いて薬について説明しますなんて薬局の集まりで講演されると、ヤマト薬局の応対などクールに思えてしまう。ソフトでダメならハードで行こうと、道を挟んだ主のいなくなった廃屋を購入して、日本一広い駐車場のある薬局を目指したが、そこを使う車がそもそもないことに気がついて、その勝負は諦めた。そこでもう日本一はもちろん、岡山県一も目指さないで細々とやっていこうと思っていた矢先に、娘達が突然動き出した。
 薬局のホームページに姪が載せていてくれていると思うが、今新たに日本一きれいな庭がある薬局を目指すことにした。もちろん僕は企画発案どれにも参加していないから、単に便乗しているだけだが、新人庭師の挑戦を毎日楽しみに見ている。もっとも、僕が期待するスピードで庭は(花は)作れないみたいで、少しずつ変化しているようにしか見えない。今日訪ねてくれたのは、セールスとその叔母で、叔母さんがプロが作る庭園の「途中」を見たかったらしいのだ。なんともマニアックだが、本当に好きな人は僕らには考えもつかないような興味の対象を見つけるのだろう。
 わざわざやって来てくれた甲斐があって、とても喜んでもらえた。今の仕上がりが5部なのか8部なのか分からないが、僕たちもとても楽しみにしている。薬局に来てくれた人はもちろん、単に通りすがりの人が公園と間違ってベンチに腰をかけ、穏やかな空気を吸ってもらえればいいと思っている。
 日本一きれいな庭のある薬局として、ホームページで宣伝して欲しいのに、姪は何不精か知らないが、どうも頻繁にアップしてくれない。「はい出来ました」では庭園お宅の人に申し訳ない。さりとて、今まで人生で一度もカメラと言う物を所持したことがないという生き方を変えて撮り鉄にはなれない。僕に出来るのは黙々と草を採り鉄だ。


2016年04月22日(Fri)▲ページの先頭へ
釘付け
 今日の空は、青色の絵の具を一本持っていれば描くことが出来るくらい澄んでいて高かった。煎じ薬を攪拌するためにお昼過ぎに外に出たのだが、まぶしいくらいだった。突然頭上でヒューヒュルルと鳴き声が聞こえた。見上げれば鳶が輪をかきながらゆっくりと旋回していた。幼い時にしばしば見かけた光景で、最近ではめったに見られない光景だから、僕は釘付けになってずっと見上げていた。すると何処からともなくもう一羽が近づいてきて、2羽がゆっくり旋回しながら、オリーブ園の丘の方に上昇し、やがて丘の向こうに消えていった。
 なんとも言えぬ優しい空気に包まれて、これだけでいいと思う。恐らくかの地でも今日は同じような穏やかな日和で、本来なら僕と同じように空を仰いだだろう。ただ、今は自然の破壊力におののくばかりだろう。僕も10数年前に母を連れて深夜高台に避難した経験がなければ、自然の猛威を前にした恐怖を共有は出来ていない。ゆっくりとやって来て、数時間耐えれば必ず過ぎ去ってくれる台風と大地震を比べることは出来ないが、かの地の人たちの恐怖の1万分の一ほどは理解できる。
 被害の映像を見ていると、経済的に立ち直ることが出来る人がどのくらいいるのだろうと思う。家が壊れるなんて誰が想像していただろう。お年寄りが多い田舎町でどのくらいの人が経済に余裕を持っているだろう。この国に住む限り明日はわが身。誰が戦闘機代を、戦車代を、潜水艦代を彼らに回して文句を言うだろう。
 空を見上げ、鳶を見つけ、その姿を追い続けても、どこか後ろめたいのは、今回の震災には被害者しか登場しないからだ。そこがあの時とは圧倒的に違う。
 


2016年04月21日(Thu)▲ページの先頭へ
復活
 笑ってはいけないのかもしれないが、なかなか表現が面白い。こんなに短い言葉で思わず噴出させてもらった。僕もその1人だが恐らく共感がほとんどだったのではないか。同じように短い言葉で国会まで動かした人がいるから、今度の人の労作も何かを動かしてくれたらと思う。
 熊本や大分県の被災地の上空を飛ぶマスコミのヘりコブターの騒音で、家屋の下敷きになっている人たちへの掛け声がかき消されたり、そもそも神経を逆撫でされるみたいだ。月に一度上空を通られてもうるさいのだから、それが頻繁だったら頭にも来るだろう。まして、失ったものの大きさに打ちひしがれているときにそんなことをやられたら、なおさらだ。だから「マスコミのヘリコプターを撃ち落してもいい法律が出来ないかな」と言いたくなるだろう。
 皆さんも感じているかもしれないが最近のアホコミの質はがた落ちだ。被災地の給油所で割り込んだ馬鹿などもってのほかだが、そんな低次元のことでは済まされない分野で同じことが正に進行している。このことは重大だ。アホコミの本来の役割は権力を監視すると言うものだが、日本の多くのアホコミは、正に権力の手先に成り下がって、大本営発表に手を貸している。戦前と同じ体質だが、これは日本人がほとんど知的に進歩していないってことでもある。グローバル化のせいで、情報を集めることに長けている人間だけが富を増やし、その他大勢に成り下がった人間と、考えられないほどの経済的、いやいや健康も教育も格差が拡大している。アホ大臣の恫喝にいとも簡単にお腹を見せる・・・・ミニチュアダックスか!
 昼食のときに妻が、ミニトマトとごぼうを見せて、どちらも熊本産だと教えてくれた。地震にもTTPにも負けずに熊本の庶民の方は復活して欲しい。天災を理由にまたぞろ企業が儲けるのではなく、庶民こそがせめて元通りの生活水準に戻って欲しい。東に伊方原発、西に川内原発、ドカンといったらすべて終わり。庶民が天下をとらなければ復活はない。


2016年04月20日(Wed)▲ページの先頭へ
 こうした人を「兵」と呼ぶのだろう。少なくともそんな話聞いたことがない。
 その男性のお嬢さんが下痢の漢方薬を作ってと頼みに来たのは、そんなに以前のことではない。その時のことを鮮明に覚えているから3年位前の話だろうか。いや、ひょっとしたら2年位前?
 よく知っている漁師さんだから、恐らく数日分作ってお嬢さんに渡したと思う。それが全く効かなかったのだ。そこで又数日分作り直して渡した。ところがそれでも全く効果が無いと言う。僕の経験では下痢を抑える漢方薬で全く効果が現れないことは考えられなかった。そこで、何か良くない病気が隠れているのではないかと思い大きな病院にかかってもらうことにした。結構素直に大病院にかかってくれたが、結果は悪かった。大腸がんだった。
 その時点で当然僕の手は離れた。つい最近久しぶりにやってきた。それこそ2年ぶりか3年ぶりだ。日常遭遇する簡単なトラブルの薬を取りに来たのだが、少しだけ会話をした。家族はその間もよく僕の薬局を利用してくれているから少しは耳に入っていたのだが、なんと本人曰く、この間に7回手術をしたそうだ。具体的にいつ何処を手術したのか聞かなかったが、整形外科手術が2回で、5回が癌の手術らしい。癌は元々の大腸がんはもちろん、転移したのだろう幾箇所か上げていたが、本人も分からないのかもしれない。
 7回の手術に耐えた・・・と言う美談ではない。耐えるどころかぴんぴんしているのだ。薬を取りに来たときも、急いで帰って漁に出ると言っていた。もう80歳を超えているのに現役だ。1人で漁に出る。それも退院した次の日から7回とも沖に出ているそうだ。その上病院で抗がん剤を打っても、食欲が落ちたことがなく医師が「よく食べられるなあ!」と感心していたらしい。抗がん剤を飲みながらでも、髪の毛が抜けたこともない、食事がまずかったこともない、仕事は欠かさない。医師も驚いてばかりだったらしい。
 これは奇跡か当然か。僕には彼の当然と思わせるエピソードがある。もう20年位前のことだけれど、珍しく3世代そろい踏みで薬局にやってきたことがある。彼(おじいちゃん)は孫を抱っこしていた。そこで彼の漢方薬を頼まれたから、体重を量ってもらうことにした。すると従来より随分と体重が増えて「8kgも太った。いつの間にこんなに太ったんじゃ!」と自分でも驚いていた。息子夫婦も「おじいさん急に太ったなあ、そんなに太った感じはせんけどなあ(しないけれどね)」と驚いていた。ご飯が多いとか、甘いものが好きだからとひとしきり原因究明が行われた後、嫁がふと気がついた。「おじいさん、〇〇を抱っこしてヘルスメーターに上がっているが!」
 当然大爆笑が起こった。吉本新喜劇のねたにでもなりそうなことを平然と何の演出も無しにやってのけれるのだ。このなんともいえない間の抜けようが、彼の生命力を随分と持ち上げているのだと思う。およそ知性などとは程遠い生き方をしているが、それこそ悪意を知らない。人が生きるに一番難しい道を彼は無意識に歩いている。この歩みこそ奇跡のような当然を生み出したのだと思う。職業柄「生きにくさ」を抱えた人たちと多く接するが、彼の歩んだこの2,3年は僕にとってはとても示唆に富んだものだった。これからの僕にとっても、僕の漢方薬を飲んでくれている人、くれる人たちにも。



2016年04月19日(Tue)▲ページの先頭へ
獣医
 衝動的に激怒する傾向のある人は、ネコの糞などに含まれる寄生虫に影響されている可能性があることが、米シカゴ大学のEmil Coccaro氏らの研究で示唆された。研究では、間欠性爆発性障害(IED)の患者は、トキソプラズマ症の原因となるトキソプラズマ原虫の保有率が2倍以上高いことが判明したという。IEDは、頻回かつ衝動的に、状況に釣り合わないほどの言語的・身体的な攻撃性を爆発させる精神疾患の1つ。米国では1,600万人にみられるという。

 いるいるこんな奴。僕が今一番嫌っている人間もこのタイプだ。正当な質問に対してすぐに逆切れし、問題とおよそ関係ない感情論だけで反撃する奴。その肩書きがなければただの人間以下だが、周りが見返りと交換にフォローするから今だのさばっている。いつその肩書きを失い弾劾される楽しみにしている。
 今までは、よほどお坊ちゃんで育てられたから、心がゆがんだのかと思っていたが、ひょっとしたら猫の糞の影響かもしれない。もしそうなら任せてはおけない。病院に入って治療してもらわなければ。こうした時にかかるのは、心療内科だろうか、それとも感染症外来だろうか、それとも獣医だろうか。






2016年04月18日(Mon)▲ページの先頭へ
犯罪
 被害の様子を、リポーターの叫び声や、ドローンの映像や、数値で見せられてもそれは報道の域を出ない。15分もすればちゃんとコマーシャルが入るのだから、所詮震災も彼らにとっては商品なのだ。伝わってくるものに、まるで体温はない。
 それに比べて被災者の独白には、涙を誘われる。10人いたら10人の話にもらい泣きしてしまう。アホノミクスがそのような話に耳を傾けるとは思わないが(テレビの取材が入ったら、しゃがみ込んで被災者と話しこんでいるところなど演出するに決まっているが)この壮絶な被害を見て、さすがに今までのようにおじいちゃんの悲願を達成するために、国民を馬鹿にするようなことはしないだろう。
 被災地の破壊された家屋はお年寄りが多く住んでいるみたいだが、まさか彼らに自力で家を再建しろなんてことは言わないだろう。庶民にとっては無駄で、お友達の金持ち達にはより金儲けの手段を作ってやったオリンピックのメインスタジアムはもう作らないだろう。
 自衛隊がいつものように活躍してくれているが、まさか彼らをアメリカの戦争の手伝いに借り出し、命を落とさせるようなことはしないだろう。例の戦争法案はここで中止するに決まっている。アメリカの戦争予算を肩代わりするって約束は反故にするだろう。
 色々な役所が持っている情報を全部出して互いに助け合わなければ、被害者の救出どころかインフラの回復すら出来ない。だから秘密保護法は破棄するだろう。
 九州の酪農も農業も想像を絶する被害を受けた。これでTPP言いなりなら、日本の農業は、一部のお友達以外は壊滅だ。壊滅させてお友達の企業家に農業まで独占させるのが魂胆だろうが、さすがにそれは思いとどまるだろう。
 活断層が大分県まで延びて、その先が伊方原発がある愛媛県だ。活断層の上にあればどんな強固な建物でも持つはずがない。地球が割れるくらいのエネルギーに耐えられるはずがない。もうさすがに懲りて国民の命を初めて重視せざるを得なくなり、原発を止めるだろう。
 これらを実行しないならそれはもう犯罪だ。


2016年04月17日(Sun)▲ページの先頭へ
今の所
大和先生、心配頂きましてありがとうございます。
1日目の地震の震源地である益城町は、私の住んでいる熊本市からさほど遠くもないのですが、被害の大きさが違うのに驚きます。我が家はテレビが壊れたりと家の中外、多少の被害はありますが、何とか無事でした。古い家なので怖くて、車に寝泊まりしています。最近、〇〇の調子がよかったのですが、さすがに車で寝たりして体調を崩したので、さっそく常備していた先生の漢方薬をのみました!いざという時に助けてもらっています。ただ、煎じている間もコンロから離れられなくて、震度4が来たからすぐに火を消したり…神経を使って疲れます。断水していて大変ですが、今の所無事にやっておりますので、何とか乗り切っていこうと思います。
メールありがとうございました!

ああ、よかったと書くべきか、大変ですねと書くべきか迷います。
とんだ災難でしたが、何処まで受け入れられるか遠隔の人間には分かりません。
映像で見るだけですが、とんでもないことが起こったのがよく分かり、皆さんの心労を共有する感性が試されます。
貴女が「多少の被害」と表現されるのは、それではなかった人たちを想っての事でしょうね。
果たして僕に貴女と同じ言葉が使えるかどうか。
ただ、この国のごくごく普通の人たちは、その言葉をまだ口に出すことが出来る感性を沢山の人たちが持てているのですね。
体調を崩さずに、早く当たり前の日常が戻ってくれるのを祈っています。
ヤマト薬局


2016年04月16日(Sat)▲ページの先頭へ
前震
 知らなかった。ゼンシンと言えば、前に進むことと、以前のことを言うのかと思っていたら、露払いみたいな地震のことを言うらしい。専門用語かごくごく普通に用いられる言葉か知らないが、少なくとも僕は初耳だった。ただ漢字で書かれればなんとなく意味は分かる。
 実際に起こった災難で偶然知った言葉だが、知る機会もなかった・・・ほとんどの人は最近まではそういった生き方が出来た。ただこれからは、かなりの確率で地震用語に遭遇することになりそうだ。この国にすむ人間は、いつ地が割れ、山が崩れ、家が崩れ、津波が押し寄せるか、考えながら生活しなければならなくなった。よほど楽天的な人以外は、かなりのストレスを抱えたまま暮らさなければならないってことだ。どこかに緊張感を隠しながら生きていくのは、心どころか肉体にもよくない。現代人が逃げられない緊張した日々が、密度を増す。
 実は僕にはもう一つ憂いているものがある。アホノミクスがあのいやな戦争時代の前震になりはしないかということだ。田舎の百姓の息子が、都会の実業家の利益を守るために、殺したり殺されたりした戦争だ。庶民には何の関係もない理由で、飢えたり教育を奪われたりした戦争だ。見るからに抜けた顔で、何を気取っているのか知らないが、知性のかけらも持ち合わせていないような人間にあの地位を与えているこの国の人たちの知的レベルを疑う。
 日常を引き裂く活断層も怖いが、歴史を引き裂く活断層も侮れない。夏の選挙で退場させなければ。


2016年04月15日(Fri)▲ページの先頭へ
語録
 今日帰国した〇〇チャンは、語録と言うべきものを残してくれた。なかなか考えさせられるものがある。その中のいくつかを思い出すがままに書いてみたい。
 日本に来てから仕事が楽しくなった。かの国でもこの3年間働いた会社の現地法人だったのだが、なんとなく無気力に働いていた。時間が過ぎればよかった。ところが日本に来ると、日本人がとてもよく働いているのを見て、自分も働くことが楽しくなったらしい。社内中の一所懸命が気持ちよかったらしい。特に、3交代勤務の深夜12時から朝まで働いているときに、工場長が午前5時に出勤してきたりするのを見て、考えが変わったみたいだ。
 かの国の人は、仕事が終わるとすぐに家を目指して帰っていく。家族が大切と言う理由からだ。ところが会社の日本人は仕事が終わってもなかなか帰っていかない。タバコを吸ったり、コーヒーを飲んだり、話したりしている。「ドウシテデスカ?」と尋ねられたから「日本人にとって家庭は職場と同じくらいストレスが多い場所で帰りたくない場所なんだ」と答えた。「エエッ!」と驚いた様子を見せたが、本当は3年間の観察で分かっている。
 かの国の人たちはとても花が好きで、花が咲いているところに連れて行ってあげれば一番喜ぶと思っていたのは僕のまだ未熟なところで、いやいや最近はなんだか気がついていたのだが、本当は、花が好きなのではなく、花をバックに写した自分の姿が好きなのだ。それが証拠に、どんなに美しく咲き誇った公園に連れて行っても、10秒も花を見ない。あっという間に花に背を向け写真を撮り始めるのだ。「オトウサン ハナガスキナノハ ワタシト Bサンダケ ワタシトBサン ニワニハナヲウエテイル」確かに、寮のわずかなスペースに可愛い花が植えられている。2人が世話をしているのも時々見かけた。
 「ワダイコ ベートーベン スキデナイヒトイル ハッピータウンデ カイモノスルタメ イッショニイク」「オトウサン モッタイナイ」
「ニホンゴ ムツカシイ デモワタシ カンタンナコトバデハナシスル」通訳がいる前で〇〇チャンは、かの国の人たちの通訳をする。ほとんど反射みたいに。簡単な言葉で何とか伝えようと必死だ。その姿に感銘を受け、日本語を自然に教えてしまう。そうして彼女は日本語学校にも行かずかなり喋れるようになった。これは例えば僕が英語圏の人間と喋るときに全く応用できる。まず親切な人間にしか話しかけない。つまらない英語圏の人間は一杯いるから相手を選ぶ。そして見つけた親切な人間には、何とか自分が知っている単語を駆使して意思疎通を図る。それでいいのではないかと今は言える。僕がずっとそうであるように、気持ちを集中して耳を傾け、知っている語彙を駆使して会話してくれる人間を見つければいいのだ。逆にそんな人間でないとそもそも話す価値もない。
 最後に付録で牛窓自慢。
 僕がその会社の他所の寮を訪ねたときに、寮の場所が分からなかった。岡山市にあるのだが郊外で牛窓と同じように田園が広がっていた。ここらあたりと目星をつけて「〇〇〇〇人の人たちが住んでいる家は何処ですか?」と尋ねた。すると中年の女性は、聞いたことがないと答えた。途方にくれているところに丁度〇〇〇〇人が家から出てきて僕を見つけてくれた。なんと女性に尋ねたところから50mくらいしか離れていなかった。寮で話しているときに、近所の人達から野菜を沢山もらえるだろうと言ったら、そんな経験はないと言っていた。ひるがえって、牛窓では食べきれないくらいの野菜を近所の農家の人にもらえるのだ。そのおすそ分けを僕が頂くくらいだ。いやいや近所だけではなく、会社への通勤途中の畑で、おばあさんにももらったりする。かの国から来た女性達はほとんど農村部で農業をしていた人たちだから、お返しも堂に入っていて、一緒に農作業をしたりした。「ウシマド イイデス」何回も聞いた言葉だ。


2016年04月14日(Thu)▲ページの先頭へ
日本のお父さん
〇〇ちゃんへ

 3ねんまえに あなたは いまとおなじように まどから めのしたにひろがる おおきなうみを みていたのでしょうか。きぼうとふあんが いっぱいだったでしょうね。よく ゆうきをだして こどもをのこして にほんにやってきましたね。あなたには かぞくのせいかつを よくするという もくひょうがあったから ふへいをまったくいわずに 3ねんかん すごすことができたのでしょうね。
 おとうさんは すぐに きがつきました。あなたは こうきしんが とてもつよいひとです。いろいろなものに きょうみをしめし おとうさんと もっともおおく いっしょに こうどうしました。だから にほんごの べんきょうをしないのに にほんごを たくさんおぼえて はなすことができるようになりました。わだいこも ベートーベンも なんどもききにいきましたね。ベトナムにかえって そうしたところに いくことはできないかもしれませんが あなたが ベトナムで いきているあいだに いくことができる かいすうを もう じゅうぶん こえました。
 にほんのいいところ にほんじんのいいところ はんたいに わるいところも あなたはわかりました。いいところだけ まねをして すばらしい じんせいにしてください。
 おとうさんが やくざいしとして やくにたつことができなくなったら ふと ベトナムにいくかもしれませんよ。おとうさんは あなたとわかれることが さみしくありません。あなたが いちばんたいせつな かぞくのもとに かえっていくのだから。にほんの おとうさんの しごとは きょうで おわりました。いいおとうさんだったですか。
 あなたが ずっとずっと げんきで しあわせでありますように。さようなら!

                                          にほんの おとうさんより 


2016年04月13日(Wed)▲ページの先頭へ
奇遇
 「変わったなあ、変わったなあ」と腕をつかまれ肩を抱かれ何度も言われた。そんなに長いこと会わなかったのかと思ったが、恐らく相手もかなり変わっているのだろう、僕にはまるで初対面のごとく映った。「忘れてしまったの!区長をしていたKですよ。奥さんはHちゃんじゃなかった?」
 この日曜日、数日後に帰国するかの国の女性に頼まれて妻と3人で施設の母を見舞った。この女性は何度も母の見舞いに同行し本当に優しく接してくれた。国に残した祖母と恐らく重ね合わせて母を見てくれていたのだと思う。かの国は家族の関係がまだまだ濃密だから、それはそれは優しさに溢れた光景を何度も見せられ感謝の気持ちでいっぱいだ。最後にもう一度会って、何も理解できない母だが帰国の挨拶をしたかったのだ。2時間近くずっと母の手を握ってくれていた。
 太陽は覗かなかったが運よく気温が高かったので、満開を過ぎているがまだまだ十分花びらを蓄えている桜を見に運動場に母を連れ出した。母は僕らの意図を理解してくれているかどうかわからないが、桜の木の下で心地よい時間を過ごした。
 そこへ1人の老人が杖をつきながら近づいてきて、声を掛けてきた。妻が対応していたが、地元上山坂の人だと言うこと、年齢が95歳と言うことだけ分かったのだが、そこから土地勘のない妻は対応に困っていた。その上老人の耳がほとんど聞こえないために、会話が完全に一方通行だった。ただ老人の話の内容に、僕はかなりついていけた。僕は幼い時に母の里であるこの土地に預けられていたし、大学に入る前までは長期休暇は必ずこの土地で過ごしていたから。そこで大声にも自信がある僕が相手を代わることにした。
 95歳と言うことは、ひょっとしたら母と同じ年齢かもしれない。同じ上山坂出身、年齢がほぼ同じとなると若干興味がわいてきた。「奇遇ですね!」なんてことになるとちょっとしたドラマだ。僕はグランドの向こうまで聞こえるのではないかと言うくらいの大声で話を始めた。そこで母の里が同じ上山坂出身と言うことを告げ、母の出がI家であることを伝えた。そのI家を説明するために、母の父を持ち出すべきか、今の世帯主を持ち出すべきか迷った挙句、現在の世帯主の僕の義理のいとこの名前を挙げた。すると老人はすぐに分かったみたいで「そうですか、Yちゃんか、Yちゃんか、久しぶりですな。覚えてる?私はKです。区長をしていたKです」ととても再会を喜んでくれた。そしてその後に連発されたのが「変わったなあ!」だったのだ。
 それはそうだろう。その変わりようは老人の想像以上だったに違いない。何しろ僕は全くの別人なのだから。Yは僕のいとこのだんなだから僕と似るはずもない。いくら手を握られ、肩を抱かれても懐かしさを共有できない。老人には残酷かもしれないが、僕がYではないことを告げ、母のことを説明した。でも「奇遇ですね」は実際に僕の口からこの後出たのだ。
 老人の妻が母の大の親友だったことが分かった。よく奥さんのところに母が遊びに行っていたらしい。当然老人は何度も母とは会っている。だから、母が牛窓にお嫁に来たことも知っていた。およそ70年以上前の出来事だ。それこそ変わったなあとでも言うべきだろうが、老人は満面の笑みを浮かべて母に昔話を始めた。母は、薬局を何十年も手伝ってきたので、痴呆になっても絶妙の頷きや返答をすることが出来る。ほとんど耳の聞こえない老人は、母の的確な頷きに誘われ、おしゃべりが続いた。少し離れて見ていたら話が弾んでいるように見えるだろう。なんともいえぬ滑稽さに笑いをこらえながら僕ら3人は2人を見守った。
 帰る車中で「キョウハ シアワセダッタ」とかの国の女性が言ってくれた。幸せなのは僕のほうだ。誰がこんなに痴呆の老人を大切にしてくれるだろう。朝10時からの玉野教会でのミサで、ベトナム人神父様に祝福をしていただき、その後深山公園で桜とつつじを楽しみ、母を見舞い、夕方には岡山教会で帰国する他の工場で働く青年に別れを告げ、その後夕食をともにした。全てその女性がいなければ、ありえなかった出来事だ。里山の生い茂った笹に囲まれた小さな池に太陽の光が届き水面が光る。何故かそんな光景が頭に浮かんだ。きっとその池が僕で光がかの国の女性なのだろう。
 












2016年04月12日(Tue)▲ページの先頭へ
便乗
ヤマト薬局 大和先生

 本日は、突然の電話にも関わらず親切にご対応いただき誠にありがとうございます。
宿泊施設のご紹介、最寄り駅までお迎えに来ていただけること、翌日観光案内していただけることまで、ほぼ初対面の私共にしていただけるような内容では到底ない筈のものと思います。
こんなに親切にして頂き、感謝の言葉をどうお伝えしていいかわかりません。
本当にありがとうございます。
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 恐らく、牛窓に暮らしている人だったらどなたでも同じような判断をすると思います。
僕も便乗して楽しもうと言う下心もあります。
朝早く岡山に着きますから、少し岡山を楽しんでから来てください。
土曜日の午前中は、県内でも遠くから来て下さる人が集中しますから、少し皆さんとゆっくり話がしたいのです。
午後はいつものように暇です。もし来られなかったらパチンコに行くか競馬に行って藤田菜七子ちゃんを応援するか、競艇に行くのが落ちですから。
翌日も含めるとお話はいっぱい出来ますし、面と向かって患者さんになる必要もありません。
牛窓を案内するのもそんなに時間がかかりませんし。
電車で来られますから、動きが簡単なもので、そこそこ有名なところは倉敷と後楽園でしょうか。
倉敷は岡山駅から15分でいけます。山陽本線の下りです。
駅から歩いて15分くらいの美観地区というところに集中して観光できるところがあります。
大原美術館と言って世界的な名画を集めているところもあります。
絵画に興味があれば必見です。なければ入場料がもったいないです。
倉敷は「一度は行ってみたいところで、二度と行きたくないところ」でも有名です。
後楽園は、僕はすぐ傍に下宿していたのですが、4年間で一度も中に入りませんでした。
でも、年齢が上がるにしたがって、ゆっくりと散策することに耐えられるようになりました。
岡山城と一体化していますから、そして岡山駅から歩いて15分くらいだから、負担が少なく楽しめるかもしれません。
牛窓への小さな旅行がお子さんに何かの気づきを与えてくだされば幸いです。

ヤマト薬局






2016年04月11日(Mon)▲ページの先頭へ
王様
 昨夜はとんだ災難だった。ブログの原稿を書いていたら、画面が一瞬消えたかと思うとウインドウズ10のグレードアップのためのインストールが突然始まった。以前から、パソコン画面上にその案内が来ても、便利ではなく不具合が生じる可能性が高いからインストールを実行しないように漢方薬の問屋さんの専務からきつく言われていた。機械音痴の僕としては複雑化するのは困るから、バージョンアップは不要でインストールなどしないと答えていた。ところが昨夜は、突然にインストールが始まったのだ。それを止める技量がないからただただ見ていたら、ブログもEメールも使えなくなった事に気がついた。深夜まで何とかならないかと手当たりしだいクリックを繰り返していたが、無駄な抵抗で諦めて結局は寝た。
 朝一番に専務に電話をかけ、直してくれる様に依頼した。専務はいつものように前もって情報を集めてから駆けつけてくれると言ってくれた。なんでもバージョンを以前のものに戻すことが出来るそうだ。新しいことを覚えるより、以前のままで操作できることのほうが有難いので、バージョンを戻してもらう方を選択した。ところが専務が来てくれるのが遅くなりそうなので嘆いていたら、姪が果敢に挑戦してくれた。携帯電話を片手に説明書を読みながら挑戦してくれた。意外と早く、唯一つの不都合を残し姪はバージョンを戻してくれた。その不都合はかなり僕の仕事に障害になるので、気が気ではなかったが、昼過ぎてから専務が来てくれた。
 唯一つの不都合というのは、せっかく昨日までのバージョンに戻してくれたのに、何故かその後数時間毎に、勝手にウインドウズ10に戻す操作が始まるのだ。最初はその案内の時点で気がついたから、すぐに消去したが、2度目は既に始まった時点で気がついた。このいたちごっこをこれから延々と繰り返すのかと思うとかなり憂鬱だった。日に何度も勝手にバージョンアップされ、姪にお願いして戻す。こんなことを繰り返せないと思ったのだ。僕のこの不愉快な体験を姪と専務に話しても信用してもらえなかったが、専務が何かでその事実をつかんでくれたらしく「大騒動」と言う大きな見出しを見つけた。僕だけに降りかかった火の粉ではなく、多くの人が迷惑をこうむっている事を分かってくれた。
 「マイクロソフトって何でも出来るんだなあ」と単に驚いたのだが、専務が「ビルゲイツが悪いんですよ」と言った。なるほど無限の情報が彼に集まり、彼は自由に他人のパソコンを操作できる。考えようによっては、とんでもないことが平然と行われているのだ。いやいや、実際はパソコンどころではなく、それを経由しているもの全てを管理できるのだから、どれだけ力を蓄えているのだろう。それが悪用されたらとんでもないことが起こる。情報を操れる新たな支配者階級ができる。もし彼が親衛隊を作りヒットラー気取りのプー沈や、粛清されるべき人間なのに粛清している臭菌ペイや北の将軍様やおじいちゃんの夢をかなえるのに必死のアホノミクスなどと組んだら一体この世はどうなるのだろう。世界に君臨する王様が生まれるのではないか。へへっー、へへっー


卑下
 40年くらい人とひたすら話をしてきたので、素人ながらにつかめることもある。
 素人が感じていたことが権威ある雑誌や人物から発信されると自信を持つこともで
きるし、そんなに人間って違わないんだと、卑下することもないんだとも思う。
 ある患者さんが、しぶしぶ僕の漢方薬を飲み始めたのは、とある総合病院で糖尿の
治療をしてもらっていた時だ。処方箋を持ってくるわけでもなく、何かのついでにや
ってきたときに症状が改善しないことを何度も愚痴るのを聞いていたが、その改善し
ない理由が医師ではなく患者にあることに僕は気が付いた。それはその女性の態度が
とても高慢なのだ。ご主人の職業がそれなりに人の尊敬を集めるものではあったが、
それはひとえにご主人の功績で妻たるその女性とは無関係だ。ところが妻こそ権威を
振りかざし、人を見下すような物言いをする。当然感謝の言葉など辞書にはない。こ
のような態度を診察室で取られると、普通の医師なら触らぬ神に祟りなしだ。適当に
扱うにきまっている。だから数年間どんどん悪化していた。
 僕の漢方薬を飲み始めて、悪化は食い止められたが、それは僕の漢方薬が優れてい
たからではない。僕がその女性を特別視しないからだ。言いたいことをずけずけ言っ
て、命が惜しかったらまじめに取り組むように単刀直入に言ったからだ。おそらく僕
も医師たちのように「気遣い」したら、今頃足くらい切り落とされているだろう。
 こんな経験は珍しくない。僕の先生は僕などよりもっともっと人間観察力がすごい
方で、薬が効かないのは「心に敵がいる人と、すぐに上げ足を取る人だ」と断言して
いた。この話を聞いて何度なるほどと思ったことか。
 以下の権威ある文章をぜひ読んで、上手に医者にかかってほしい。 

対応困難な患者は良い治療を受けられない可能性があることが、オランダ、エラスム
ス大学医療センター・ロッテルダム医療教育研究所、准教授のSilvia Mamede氏らが実施した研究で示された。
非協力的な患者は、要求が多かったり、医師の助言を無視したり、指示に従わなかったりした。
複雑な症例の場合、普通の患者と比較して、非協力的な患者では診断の正確さが42%低下した。
Mamede氏は、「非協力的な患者は医師の『注意を引く』ため、医師は実際の症状に集中できな
い。十分な診療が受けられなければ、患者はさらにいらつき、負のスパイラルが生じる」と話す。




2016年04月09日(Sat)▲ページの先頭へ
不愉快
 今朝、今日のブログのタイトルを決めたときからずっと不愉快なままだ。気が立っているのか、コーヒーを3杯飲んで、不愉快に輪をかけている。胃の裏あたりの背中が痛い。
 なんとこの時代に、ある馬鹿が40万人の親衛隊を創設した。発砲自由、車の没収自由らしい。ヒトラーそのものだ。プー沈は、タックスヘイブン(租税回避地)を利用して親友の音楽家らが20億ドル(約2200億円)を取引したとされるパナマ文書の疑惑に対して「(親友は)ロシアのために楽器を買っていただけ」と弁明したと言うが、この程度の作り話で逃げられるようでは、あの国の人間の知性のなさが露呈されて余りある。あるテレビ番組で日本人女性と結婚した青年の収入が、月4万円と言っていたが、所詮その程度の国なのだ。その程度の国で、2200億と言ったらどのくらいの価値だ。秘密警察上がりの人間を表舞台に立たせ、銃口をいとも簡単に自分達に向けられるようになったのは国民の自業自得だ。もっと早く政治の世界から選挙で退場させておくべきだった。もっともその選挙もかの国では公正かどうかは怪しいものだが。貧乏人が独裁者を奉る。こっけいにもほどがあるが、そうした国の行き着くところがヒトラーや北の将軍様や、臭菌ペイやアホノミクスだ。ゆめゆめ道連れにしないで。僕は自由のうちに、平等のうちに人生を閉じたい。


2016年04月08日(Fri)▲ページの先頭へ
成果
 1週間くらい、日本語が全く通じない若い女の子が来ている。最初はこちらの英語力を試そうと色々予習していたが、さすがに接点がないから、言葉が通じない以前に会話するモチベーションが沸いてこない。これが患者さんや、かの国から来た働き者の子達だったら言葉の壁を越える努力も楽しみなのだが、何故かそうした努力が空しく感じる。だからほとんど黙っている。
 昨夜、ある写真をきっかけに少しだけ会話した。白黒写真で写っている祖父の写真だ。息子から言えばそれは「ひい爺さん」にあたる。そのひい爺さんを説明しようにも、祖父までしか英語を知らないからできなかった。そこで妻が機転を利かせて、英語でおじいちゃんのお父さんと言った。するとそれは理解できたようだ。「ではそのひい爺さんのことを英語でなんと言うの?」と尋ねると分からないようで妻が言ったように「お爺さんのお父さん」と英語で答えた。英語が出来る人間がひい爺さんのことを言えないのかと不思議に思って、「えぇ、知らないの?」と大げさなリアクションをしたら息子が横から口を挟んだ。「あの国は、平均寿命が50歳くらいだから、ひい爺さんなんてありえないんだ。言葉はあるんだろうけど実際に目にすることがないから知らないのではないの」と。正しい説か、想像で言っただけか知らないが、なんとなく分からないこともない。日本だったら珍しくないことでも、背景が異なれば、稀な事になってしまう。
 こんなどうでもよい気づきが今のところの成果。


2016年04月07日(Thu)▲ページの先頭へ
医学論文
 医学論文の中に「子供がテレビに殺される」と言うタイトルのものがある。さぞかし、現代の子供達の成長にテレビがどのくらい悪影響を与えるか警鐘を鳴らすものと思いきや、単に倒れてきたテレビで子供が死ぬ可能性があるから気をつけてってものだった。
 実例として挙げられていたのは、2歳の女児。自宅で心肺停止の状態で倒れているところを発見された。27インチのブラウン管テレビの上に乗ろうとして、テレビもろとも床に落ち、致死的な頭部外傷を呈し、くも膜下出血を起こしたらしい。なお、テレビ外傷は1〜3歳児に最も多いとされていて、軽い液晶テレビが普及してきた近年では、ブラウン管テレビよりも落下しやすいという側面から、液晶テレビによる外傷の頻度が増えているそうだ。
 医学論文にも僕程度の能力でも書けるものが時に紛れ込むのだと安心したが、実際にテレビで殺されているのはこの国の大人達だ。ひょっとしたらお年寄りなど皆殺しにされているのではないか。政権に擦り寄るテレ媚のくだらない情報をよほど選別しないと、一億玉砕を強いられそうだ。人の上に人を作らず、人の下に人を作らずと、幼い時に覚えた価値観など、新支配階級モドキの奴等にいとも簡単に蹂躙される。人の上に人を頂き、額づきおこぼれちょうだいし、人の下に人を何とか作りやっと自尊心のバランスをとる。この程度の精神では既に精神は重体だ。殺される一歩手前で、それに気がつかず、ピエロを演じている。まるで悲しい顔をしたピエロだ。微笑むことにすら怯える哀れなピエロだ。



2016年04月06日(Wed)▲ページの先頭へ
仕事
 僕が若いときから丸山ワクチンと言う免疫を強くする薬は有名だった。いつの間にか聞かなくなったが、実際には今だその治療をしている医療機関があるらしい。岡山県でも数箇所の医療機関がやってくれるらしいし、実際に僕が漢方薬でお世話をしている人も、その治療を受けたことがある。幻の治療法かと思っていたが、今でも営々とその治療が行われていたことを知って驚いた。
 免疫に関しては、確実性がないから現代では相手にされていないのかと思いきや、最近とみに脚光を浴びている新たな治療薬がある。まさしく免疫療法で、手術不可能、抗がん剤で治療見込みがない患者が劇的に癌が小さくなったともてはやされている。すごいものが出来たという感想と、ひょっとしたら僕が漢方薬でお世話している癌の方々が結構元気で長生きしてくれているのも、この免疫療法で説明がつくのではないかと期待している。僕ら素人が同じことをしているとなっては失礼すぎるかもしれないが、でも漢方薬とは元来そういったものだ。
 鳴り物入りでデビューしているその薬は、年間一人当たり3460万円するそうで、現在の対象者にその薬を投与すれば年間2兆円医療費が膨らむらしい。おまけにいったいその患者さん達がその先何年その薬を必要とするか未知数だ。効果は10人投与して2人くらいらしいから、空振りが8割だ。3460万円の空振りが許されるのかどうか分からないが、国の財政が破綻するような空振りだ。それに比べれば僕の漢方薬だと月4万円。いつも申し訳ない気持ちいっぱいで会計をするが、こんなニュースを聞いていたら、結構僕の薬局は良心的で、知識もないのにいい仕事をしていると思った。



2016年04月05日(Tue)▲ページの先頭へ
先輩
 今日ある方に返信をしたのだが、その内容が今僕が置かれている状況を結構表していたので、一部を披露する。


・・・・・僕は必ず漢方薬を作った人に結果を聞きます。そして完全に治った、効果は十分あるがまだ治らない、効かないの3つに分類しています。
 漢方薬を勉強してから常に僕の目標は、7割の人に効果を出す・・・です。そうしないと僕自身がめいってしまうのです。立地上患者さん達ととても親しいので(もっとも今は遠方からきてくれる人が〇割くらいになりました)効かないなんていわれると寝込みそうなのです。そうしたことが僕の頑張ってきた理由にも大いに貢献してくれたと思っています。全ての病気をあわせると7割は十分キープできていると思います。ただIBSの人に限ってはこの数値は怪しいものです。と言うのは、IBSの患者さんは病歴が長くて、ありとあらゆるところを転々とした人しか僕のような田舎の薬局に依頼してこないので、最初から僕の薬局に対しての猜疑心とともにスタートします。それを覆す喜びや達成感は大きいのですが、治療に関しては正直ハンディーです。「期待していないけれど、1度だけ飲んでみる(試してみる)」人が他の病気では考えられないくらいいるのです。色々なところで効果が出せれなかったのに、僕に対する猶予が2週間だけの人が結構多いのです。それでも〇〇〇人くらいは完治していますから、そして改善をあわせるとかなりの数ですから、何とかモチベーションを保っていますが、重圧に耐える健康を僕が失えば、そこで僕の仕事も引退だと思っています。僕は多くのデータと、見つけた公式を息子と娘に残していて、もうやりきった感はあるのですが、まだ2人とも必要としてくれているところがあるので、うっとうしがられながらも仕事をしています。
 僕はこうしてあなたに返事を書いているうちに、現在、自分のおかれた状況を整理できたように思います。あなたは僕と似ている性格だと思います。人生の先輩として、全ては上手くはいかなかった先輩としてもし助言できることがあるとしたらそれはやはり「力まないで」です。この言葉を恐らく何度も思い出す場面に遭遇します。僕を頼ってきてくれる人達に毎日声かけしている「脱力して!」をあなたと僕自身に贈ります。


2016年04月04日(Mon)▲ページの先頭へ
森羅万象
 僕は日曜日にはなるべく4時までに家に帰ることにしている。それがかなわなければ次の目標は5時半だ。理由はいたって簡単だ。4時から始まる吉本新喜劇か5時半から始まる笑点に照準を合わせているだけなのだ。ただ僕は笑いたいのだ。普段笑わせるほうにばっかり回るのでたまには笑わせて欲しい。1週間の緊張を取ってほしいのだ。
 昨日も吉本新喜劇を見ることが出来た。いつものように声を出して笑えるほど充実?していたが、最後の最後で意外な経験をした。桜の木の下に埋めたタイムカプセルを掘り起こすという設定だったのだが、最後の最後のめでたしめでたしの場面で、ギターでギャグをする俳優が「さくら」と言う歌を唄ったのだ。何処でぼけるのかと思って聞いていたら、なんと最後まで気持ちを込めて歌ってしまった。他の出演者が「ぼけなかったなあ、いつぼけるんかと思っていたわ」とすかさず突っ込みを入れるくらい正統「さくら」だった。
 なんと、しみじみ歌う「さくら」をしみじみ聴いてしまったのだ。嘗て、耳にしたことがある程度の歌だったが、何故か心に深く入ってきた。そこで早速その後インターネットで調べてみた。森山という2世の歌手の歌をユーチューブで聞くことができた。コード進行がシンプルなのでとても分かりやすい歌だった。僕ら素人が歌っていた時代に共通するコード進行だと思った。
 この15日に3年間の仕事を終えて帰国する女性の中の1人がとても桜が好きで、3年間桜を見に数箇所連れて行ってあげた。帰国にあたって桜の歌を聞かせてあげれば喜ぶだろうなと思って、何度もユーチューブで聞いて見たが、なかなか覚えることができない。元々新しい歌を覚えるのは苦手だったが、この調子だと帰国には間に合わない。よっぽどのプレッシャーがない限り頑張らない僕だから、もう今日の時点で「無理」そう。
 喜劇の中でしんみりと歌われたことで歌のよさが際立ったのかもしれないが、卒業式でサプライズ登場の歌手の歌に涙する多くの女子高校生達の姿を見ていると、いい歌なんだと思われた。偶然の出会いは人間だけではない。森羅万象、人の営みとも又出会いなのだ。


2016年04月03日(Sun)▲ページの先頭へ
 春をもう何年も楽しんだことがなく、むしろ恨めしい季節だったけれど、今年は何十年ぶりに春を楽しめそうと言ってくれた人がいる。通年性鼻炎の方で、春は花粉症も重なり地獄みたいだ。確かにステロイドの内服しか症状を軽減できないとしたらかなりのものだ。行き着いているといっても過言ではない。それが漢方薬でかなり軽減して上記の言葉を頂いた。
 僕も気温以外春を有難がるタイプではない。確かに気温が上がって筋肉が柔らかくなると凝り症状が楽になるからそれは歓迎だが、特別春の出来事を楽しむタイプではない。いくらテレビで桜を煽られても、別にそれを楽しもうとは思わないし、今日も有名な後楽園の桜並木を、時速60kmで走り抜けた。一部花見客による渋滞に引っかかり、桜並木を歩く人より遅いスピードでろのろ運転した区間もあったが、至近距離にある桜を見ていない。
 それよりも、母を施設に見舞うために、玉野市の山間を走ったときに、山の上に、或いは中腹にぽつんと咲く桜のほうが眼に入った。決して美しいから目に入ったのではない。緑の中にぽつねんとピンクが冴えるから自然に目に入ただけだ。むしろそれらを育む山自体の生命力のほうが僕には印象的だった。桜の花びらに感謝ではなく、そびえる山に感謝だ。
 桜を見るために外国人が来日するらしい。本当かと思うが、もしそうなら、よほど上手い宣伝をしているのだろう。放射能がダダ漏れでも、アンダーコントロールと言う馬鹿がいるのだから、この手のものは得意だろう。いずれ今の倍の観光客を誘致と目標を定めているらしいが、それで何を得るのだ。彼らが落とす金か、彼らが落としめる風紀か。桜で洗脳され、放射能で洗脳され、戦争で洗脳され・・・・右向け右、全体止まれ!


2016年04月02日(Sat)▲ページの先頭へ
耕運機
 少し不自由そうに入ってきたのは、時々野菜をくれる人だ。外科からの帰りに寄ったらしい。外科帰りだから僕に用事はないが怪我の様子とその処置を見せたかったのだろう。実際に僕も勉強になった。
 膝の上辺りから足の甲までアイシングが施されているから、遠目でギブスのように見えた。しかし骨折ではなく、打撲によるものだと教えてくれた。農作業で耕運機を使っていたそうなのだが、建物の近くまで耕して、それ以上は狭いから耕さなくてもいいと思いながら、つい潔癖症が出てやってしまったらしい。そこでは直進は難しいから、ちょっとした傾斜をバックで上っていたらしい。すると耕運機の取っ手が屋根からぶら下がっていた網に引っかかり、ハンドルを持ったまま万歳をする格好になり、耕運機が足を逆さまに上って来たらしい。そうした時はスイッチを切ればいいのだが、その判断が一瞬の内にはつかなくて、膝上まで耕運機がよじ登ってきたらしい。逆回転だから足の筋肉を耕すことはなかったけれど、それでも鉄のスクリューみたいなものが高速で足の筋肉を打ったのだからダメーずはすごくて、あたったところが深く窪んだらしい。そして見る見るうちに窪んだ所を谷にしてその上下が山のように腫れ上がったらしい。いわば双子の山のようになったのだ。もし、スクリューのようになった刃と刃の間に足が挟まっていたら確実に骨折していたと本人は笑いながら言っていたが、以前、そうした人を見舞ったことがあるので僕は笑えなかった。
 そこから発展して草刈機の話になった。これは嘗て2枚歯の時は危険と隣りあわせだったらしいが、今では柔らかい歯を使っているから危険はかなり減ったらしい。石を四方に飛び散らせそれが目に当たって失明するなど、威力がありすぎた過去のものは今はあまり普及していないらしいが、それでも危険すぎる。農家の人は使わないが、家庭菜園用の簡易なものでも「いくら小さくても機械は機械じゃ」と言う彼の言葉は説得力がありすぎる。 
 絶対僕には出来ない。機械一つ使うことが出来なくて、それ以上に難しい作業が一杯ある農家の仕事は出来ない。出来ることはただただ感謝することだ。直接いただくことも多いが、店頭に並んでいるものにも感謝できる。多くの農家の方と毎日接するからだ。決してスマートな日々を送ってはいないが、大いに必要とされる人達だ。牛窓にも専業農家はあるが、もっともっと専業で経済的な恩恵を受けられる人が増えたらいいなと思う。命を養う職業などめったにないのだから。戦争で盗られ、放射能で盗られる職業ではない。


2016年04月01日(Fri)▲ページの先頭へ
表現
「こんなことがあるのでしょうか」「魔法のようです」「ただただ夢のよう」「朝起きて、大きなおならが出て、これのことかと思いました」「髪の毛がばさばさだったのに、今はご飯が食べられるから生き生きとしている」「何年ぶりかで一本の便が出ました。拝みたいくらいです」「絶対治らないと思っていた」「一生苦しむのかと思っていた」「外食も気にならなくなった」「人と会っても気にならなくなって楽しい」「今は、何でも来いって気持ち」「何でもチャレンジしてみたい」「ヤマト薬局さんが近所だったら毎日行きたい」「人生相談もして欲しい」

 過敏性腸症候群で悩んでいた若い女性が、電話注文のときに言ってくれた言葉だ。喜びの表現が面白かったので記憶にあるものを書き留めた。録音して書き起こせば、過敏性腸症候群がどのように改善していくか手に取るように分かる。ただ我が家の電話にそのような機能はないから、不確かな僕の記憶力に頼るしかなかった。
 この女性が言うように、僕の薬局に15年くらいほぼ毎日通ってきた若いお母さんが以前いた。若くして母親になり懸命に子育てをしていた。ほとんど父親代わりだったが、健康以外の話を毎日沢山した。当時はまだ処方箋調剤と言うものがなかったから、結構仕事に融通が利き、話時間はいっぱいあった。もっとも向こうも邪魔になることを心配して、人が少ない時間帯をいつも狙ってやってきていたが。昔は、そうした余所行きではないほのぼのとした人情味溢れる光景も薬局の中にあった。
 今日から、処方箋調剤の仕組みが変わる。僕はもうほとんどついていけないから、その分野からは身を引いている。ただ国は嘗てのような薬局に誘導しようとしている。病院のまん前にヤドカリのように店舗を構え、おこぼれちょうだいで税金をごそっと持っていくのを許さないらしい。と言ってもあの手この手でまたまた税金は同じように持っていかれる。これをすれば何円、あれをすれば何円、なんだか空しくなる。
 いくら処方箋で病院の薬を作っても、この女性がくれたような言葉はもらえない。こういった言葉がもらえるからこそ漢方薬を勉強してきた。ただ歳を重ねるにつれて難しい症状の人が増えてきた。だから知識がその人達が抱える不調に追い越されないようにひたすら現場で勉強をする。いや、させてもらう。


   


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■店舗名■
有限会社 栄町ヤマト薬局

■住所■
〒701-4302
岡山県瀬戸内市 牛窓町牛窓4808-3

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