栄町ヤマト薬局 - 2012/08

漢方薬局の日常の出来事




2012年08月31日(Fri)▲ページの先頭へ
復活
 そう言えば昨日の早朝、母の家に荷物を取りに行ったとき、隣のご主人が戸を開けて自分の家に入ろうとした瞬間に僕に気がついて、一瞬振り返ったまま動きを止めた。とても腰の低い礼儀正しい人なのだが、べつに挨拶をするわけでなくそのまま家の中に入っていった。今考えれば心ここにあらずだったのかもしれない。綺麗に頭を散髪してさっぱりした印象を受けたのも今なら察しがつく。
僕のこの町の情報の多くはクロネコヤマトの運転手さんからだ。毎日牛窓を何回も巡回しているから知らないことがないくらいよく知っている。牛窓の人間より牛窓のことを知っている。
 いつものように4時過ぎに全国に発送する漢方薬を集荷に来てくれたのだが、その時にそれこそ隣のおじさんの話が出たのだ。もう何年も前に食堂を閉めているのに今日ラーメンという大きな看板が上がっていたそうだ。元々とても美味しいラーメンだったから、突然の復活劇に、僕も含めて多くの人が喜んだのではないか。ところが残念ながらお店の復活ではなかった。時々あることだが、ひなびた港町を気に入られて映画のロケが行われる。今回もその為の架空の復活らしい。一瞬喜んだが勝手な夢を見てショック状態だった。決して有名ではなかったが、漁師やバスの運転手さんなどに重宝がられていたお店だった。ご夫婦とも体調を崩して仕方なく止められたが、復活を喜ぶ人は多いと思う。興味はそこで尽きたが、クロネコの運転手さんはそこから先の方が気になるらしい。なんでも、仮の復活食堂を訪れるのは、恐竜の名前、なんやらザウルスによく似た男性ばかりの唄って踊るグループのボーカルのたけし?たかし?あつし?と言う人と、剣道の決まり手に似た名前の女優、面川?いや違う、胴川?いや小手川なんとかという人らしい。僕がもう少し若ければ用事もないのに母の家に泊まり込んで寝ずの番をするのだが、さすがにこの年齢になるとミーハーも底をついた。恐らくしばらくの間、その話で持ちきりになるだろうから、ついていけるようにだけはしておこうと思う。
 よし、明日から母の家の庭の草を朝から晩まで何気なくむしりまくるぞ。


2012年08月30日(Thu)▲ページの先頭へ
土壌
 知ってか知らないでか知らないが、1000倍もするのもを何のためらいもなく買うのだから、やはりこの国は豊なのだろう。その事を僕など知りもしなかったが、何となくその行為が不自然だからほとんど手を出したことがない。
 何処ででも見られる光景だが、ペットボトルの水を飲んでいる人が多い。僕なんかわざわざ水をお金をかけて買うことが信じられない世界だから、あまり深く値段のことまで考えたことはなかったが、ある人が調べた試算ではおよそ1000倍の開きがあるらしいのだ。この倍率でおよそ人が買うものってあるだろうか。テレビにしたって車にしたって、いやもっと身近なものでも他に考えられない。消費税の数パーセントの攻防でも懸命なのだから、この倍率の異常さが指摘されれば良く分かる。逆を言うとそれだけ水は、身体に直接的な影響を与えると多くの人が認知しているってことだろう。塩素ごときで金を出すのは惜しい気がするが、こと放射能に関しては安全な水を大金を払って手にする気持ちは良く分かる。ただ本当に正しいことは、安全な水を手に入れる代金を犯罪者集団に払わさせてこそだと言える。東に住む人達はペットボトルの請求書を東電や学者や政治家に回すべきだ。何で被害者が身銭を切って払わなければならないのだろう。こんなことが先にも後にもあり得るのだろうか。強きに弱く、弱い者にやたらと強いのは、どこかの中学校のいじめの構図そのままではないか。誰があのような中学生を作ってきたのだろう。あの忌まわしい土壌は毎日毎日、この国の大人達が、それも立派な肩書きを持っている奴らが作っている。


2012年08月29日(Wed)▲ページの先頭へ
聴力
 「お父さん、耳聞こえるの?」と本気な顔で言うから何かあると思ったらやはり聞こえていなかった。小学生か中学生か分からないが、何十年ぶりの聴力検査だった。耳に関してはスカイマーク、いやノーマークだったから意外だった。右耳で高音が聞こえないみたいだ。そう言えば、検査してくれた看護士さんが音が聞こえたらボタンを押してくださいと言ったのに、なかなか検査を始めてくれないなと思っていた。ところがその時には実は検査は始まっていたのだ。聞こえないから間が空いたように思ったが、聞こえる人には充分聞こえる音がしていたのだ。それが証拠に、左側の検査はすぐに始まったように思えたし、小さい高音の音がしていた。心配してくれた?看護士さんが恐らく同じ検査を繰り返してくれたのだろうが「今なにも音がしていませんか?」と尋ねられると不思議と音がし始めるから人間って不思議なものだ。誘導尋問にすぐに引っかかってしまう。
 色々な理由で胃カメラを飲むのが遅れてしまったから、いっそのこと人間ドックにしたらと言われたので、初めて受けてみた。数日前に人間ドックを受ける人の7%しか異常なしに当てはまらないと言う記事を読んだばっかりだったから、無傷ではおれないと思っていたがまさか耳とは。あの胡散臭い政治家達や殺人犯にも優る大罪を犯した東電や学者達の陰での会話など全て聞こえてしまう地獄耳をなくしては正しい判断が出来なくなる。早速今夜から耳が聞こえるようになる煎じ薬を飲んでみる。これ又まさか自分が飲むとは。


2012年08月28日(Tue)▲ページの先頭へ
傾向
 恐らく今現在でも20人くらいの学校の先生達のために薬を作っています。目の前の中学校の先生の生活ぶりや、学校保健委員会に出席したときの先生方の様子を見ていても、漢方薬の出番が多いことの理由が想像つきます。毎晩9時頃僕は中学校のテニスコートを拝借してウォーキングをしていますが、ほとんどまだ中学校には電気がついています。保健委員会に出席しても先生方の僕達への慇懃に近い、僕達と言うよりお医者さんや歯医者さんに対してかもしれませんが、気の使いようが気の毒でなりません。ましてや相手がモンスターペアレンツや教育委員会となったら尚更でしょう。理不尽な要求に握り拳を作りながら頷いたりしなければならないのではないでしょうか。大津の事件を始め、諸悪の根元に向かって頭を下げるほど理不尽なことはありません。ただこれに対して味方してくれるのが、もっと浅はかでもっと危険な烏合の集団では、拠り所とする価値観まで喪失してしまいそうですね。
 若い教師はあなたのように、身体的な苦痛を代償に命を守り、ベテラン教師になると、心を病むことで命を守り、校長を経験して辞めた教師は癌を発症しやすくなっています。
これが長年の漢方人生の中で掴んだ教師という職業のおよその傾向です。
当初僕は貴女の体力を付けてあげることを優先しようと思っていました。でも曲がりなりにあなたはモデルなみの体型で欠勤せずに頑張っていますから、心をしなやかにする処方を優先することにしました。絞め殺してやりたいような相手に貴女の人生の質を落として貰いたくないからです。社会のためにとても有用である人達がもし退場するようなことになれば、損失、いやそれこそ納得がいきません。僕は幸運にも公共の仕事には就いていませんから納得がいかないことはしなくてもいい自由があります。貴女を心身共に元気にすることで、その権利を行使してみたいと思います。


2012年08月27日(Mon)▲ページの先頭へ
緊張
 何十年も繰り返しているごくごくありふれた日常の風景なのに、その時僕は妙に緊張した。いつもならこちらの疑問をどんどん相手にぶつけて答を得ることが出来るのだが、その事が出来ない不自由さは、まるで武器を持たずに戦場に送られている兵士のように心細いものだった。自分の選択した答えが確率高く期待に応えることが出来るのだろうかとても不安だった。勿論医療は確率の仕事だから、70%も期待に応えることが出来たら大したものだと思うが、果たして武器を制限された中でそれが達成できるかとなると心細かった。
 突然息子がバイト先から電話してきた。多くの病院で現代薬や、粉薬の漢方薬をやりきってなにも効果を感じなかった老婆が、、こともあろうに煎じ薬を所望してやってきたというのだ。そこで困ったのか、逆にしてやったりと思ったのか(もし経営者なら僕へのつてはないはずだから)僕に電話をしてきた。ただその時の患者の説明の仕方がまるで漢方の世界とは違う。専門用語を羅列してさて煎じ薬を考えてと言う簡単なものだった。勿論僕は舌を診たり、外国語かというような難解な言葉を用いての訳の分からない診断もどきをしたことがなくて、それは薬剤師がするべきではないと思っていることでもあるから、寧ろ専門家の診断を信じるから、それはそれでいいのだが、それにしても診断名以外にあまりにも情報が少なかった。いわば天守閣と言える病気以外の外堀に現代医学が注目しない傾向そのものだった。
 僕の助言通りに処方せんを切って2週間飲んでもらったのだが、2週間経ってもその後の連絡がなかった。期待にこたえることが出来なかったのかと、患者さんにも息子にも申し訳ないと思っていたら、今日患者さんから電話があり、調子がよいので、それも主なる病気以外にも、低体温でクーラーの中にいることが出来なかったのに、今年の夏は平気でクーラーの中におれるって言うおまけ付きで、これからも飲ませて頂きたいとのことだった。 僕はそれこそ処方せんに従って煎じ薬を作ったという立場だけなのだが、わざわざ僕の所にも電話をしてきてくれた。患者さんが効果に驚いてくれたことと、息子が少しでも漢方薬の力を感じてくれれば僕は充分だ。確率、目標70%の世界で、初めての患者さんに効果が出て胸をなで下ろした1日だった。


2012年08月26日(Sun)▲ページの先頭へ
薄情
 微笑みが、笑いの一歩手前なのか、笑いを超越したものなのかは分からないが、いっさいそれらしき筋肉の弛緩を見せなかった人が、何度もこぼしてくれると嬉しいものだ。漢方薬を作っている方からするとしてやったりだ。そして治療も最終の仕上げに入ったことを意味している。
もし笑いも微笑みもなくした人が目の前にいたら、圧迫感は相当のものだ。職業的に繋がる必要がない人だったら逃げ出したくなるか、回避したいだろう。当たり障りがない距離をとりたくなるに違いない。
 僕は運がいいのだと思う。本来的に持っている気性からすると、そうした人に対して寛容ではないはずなのだが、職業の故か、漢方薬という特殊な哲学を持った武器と巡り会えた故か、寧ろそうした人達のお役に立とうとする気持ちが常に充電され続けてきた。だから僕は本来的な薄情を、職業で穴埋めして貰い、日々の業務が罪滅ぼしになっている。本来なら懺悔の連続であるべき日常を、まともな行いに呼び戻して貰い、穴埋めが出来ていると思っている。職業が心の奧に潜んでいる原罪を救ってくれているのだと思う。
微笑みが絶えない彼は僅か数ヶ月前とはまるで別人だ。多くの薄情をこれで許して貰いたい。


2012年08月25日(Sat)▲ページの先頭へ
光栄
 過敏性腸症候群のため漢方薬を作っていただき、ちょうど一ヶ月が経過しました。昨日は、野球を見に行くことが出来ました。今までは野球を見るなんて、とてもとても考えられないことでした。おまけに、ビールとサワーを飲み、チーズバーガーまで食べてみました。最後まで観戦し、無事に家に帰ってくることが出来ました。本当に本当に嬉しかったです。2年間も大変な思いをしていたのに、この一ヶ月で随分良くなり、新しい予定を立ててみようかなという気になってきています。あまり若くはありませんが、この2年分を取り戻し色々やってみたいという気になってきました。ヤマト薬局様のブログを毎日何度も暗記できるほど読んでいます。本当に感謝しています。次の目標はグアム旅行です。

 これはおえん、いやいけん、いやあかん、いやだめだ、いやだめずら。こんなに本気で読まれていたら、もっと真面目に、もっと格調高く、もっと内容豊富に、もっと為になるように書かなければならない。もっとも、この道に秀でたこともなく、この科目で志望校を落とし、この科目で留年し、この科目で卒業延期になりそうだったのだから、今更奮起しても結果はついてきそうにない。こうなれば大人になるに連れて身につけた居直りなる術を使うしかない。これは全く他人の目を意識しないから亀の甲羅のように強靱だ。僕の甲羅には一杯詰め物がしてあるから尚更強靱だ。田舎者、無礼者、くせ者、慌て者、ならず者、嫌われ者、それとそれと。
この方に読んで頂くためにこれからは精進して勉強する。まず、綴り方教室、その後英会話教室に着付け教室、果ては水泳教室に七宝焼き。もう何でもござれ。
 あったのか無かったのか知らないが、志半ば、いやいや志の端緒くらいで故郷に逃げ帰って、あの青春の全てだったパチンコからも足を洗い、どこかにしまっていたくそまじめを引っ張り出し、友も不思議がる仕事熱心に変身した。30年不思議と続いたのがバレーボールと漢方薬。バレーボールで腰も首もやられて、人の痛みどころか自分の痛みの方が優っている勲章付き。心の痛みは青春の落とし穴に落ちてもがいたおかげで、手に取るように分かる。症状の取り方も漢方薬の使い方も、全部亜流だ。それだからこそ治る人が随分といてくれたおかげで、僕の居場所が出来た。
 僕を知らない遠くの方に、胡散臭い人間でないことだけを伝えたくて毎夜至らない文章を書いているが、光栄すぎる評価を頂いて今日は照れまくり。少しだけ今日は喜んで、明日からは又いつものように雅治(まちゃ)に戻る。


2012年08月24日(Fri)▲ページの先頭へ
傾向
「うつ病患者の多くは身体症状を訴える。しかし、この身体症状がうつ病によって発現するのか、それとも身体症状のためにうつ病を発症するのか、ほとんどわかっていない。Bohman氏らは15年にわたる調査により、うつと身体症状の関係を明らかにし、うつ病の発症の危険因子を検討した。主な結果は以下のとおり。
・青年期うつ病患者における身体症状合併数から、段階的な方法により成人期メンタルヘルス上のアウトカムが予測された。・5つ以上の身体症状を合併した青年期うつ病患者の1/4において、その後の転帰は、うつ病の再発68%、パニック障害44%、慢性うつ病30%、身体表現性障害26%、双極性障害22%、自殺企図16%、精神病性障害8% であった。・腹痛がうつ病、不安の強力で独立した危険因子であった。」

 かえって僕みたいな専門家でない方がこの様な傾向を見抜くのには適しているのかもしれない。もう随分前にこんなことは気がついていた。難しいことは分からないが、多くの人とまるで雑談のように会話をしているから、傾向というようなものはとても良く分かる。個性の数だけ病気は・・・ナイ。人間同じようなものだ。同じ不快症状を訴えていたら、同じような病気で苦しんでいる。上記の論文は、腹痛を訴えていた人が将来うつ病になりやすいって研究成果なのだろうが、何となくそれは分かる。本当にお腹が悪いのではなく、お腹を通して心の不調を訴えていると思われるケースがとても多かったのだ。どう見ても僕より元気、いや僕の数倍元気なような人が体調不良を訴えれば、何かあると思う方が自然だ。僕を知っている人は皆さん分かると思うがまるで権威なんかナイから、正直になにでも話してくれる。だからその人達をおとしめた多くの原因に行き着ける。そうなればしめたものだ。漢方薬のハーブ効果がとても出やすい。難しいトラブルに難しい顔と難しい薬で立ち向かったら、当人が難しくなって混乱してしまう。個性を病気にしてしまえばみんな病人だ。お腹が痛いと言い始めた頃にお世話できれば、青春を無駄に過ごすことはなくなる。
 僕にも同じように後悔すべき数年があった。あれさえなければ今頃は第二の福山雅治で売り出していたのに。第三の福山雅治も、第三の綾瀬はるかも作りたくない。


2012年08月23日(Thu)▲ページの先頭へ
見ざる聞かざる
 何処かで見ていたのだろう、訃報を伝えるニュースの画面で見た顔には記憶があった。ただその人がどんな肩書きで、どんな仕事をしていたのかも知らなかったし、ましてその職業にかける想いなど全く知らなかった。悲しいのはいつも亡くなってからの報道でその人の業績や人格などを知ることだ。こちらに知識も好奇心もないから、正当な評価を出来ていなかったことを悔やむことばかりだ。
戦場に飛び込む女性ジャーナリストがいたこと自体知らなかった。戦場で無惨に殺される女性や子供達、あるいは傷つけられる女性や子供達を撮り続けることで、平和を呼び寄せることが出来ると信じていたらしい。あの砲弾の下に展開される日常や非日常を伝えることで、争わないことの価値を世に伝えたかったのだろう。元々清楚な顔立ちのように見えたが、その想いや業績を知って、より崇高に見えてしまう。
 それに比べて脂ぎった見にくい顔のオンパレードはどうだ。世の中の汚物を集めたような世界に居心地よく住んでいる寄生虫みたいなものばかりだから醜いのも当たり前かもしれないが、清廉とか崇高とかのかけらもない奴らにこの国の将来を託すなんて、まるでアマゾンの密林の中を素足で歩いているようなものだ。少しは真面目に、少しは人の役に立とう、少しは優しく、少しは親切に、少しは勤勉に、そんな道徳の初歩さえなくしてしまいそうだ。いやいやもう充分そこから逃げ出した人を大量に作っている。たった一人の勇敢で崇高な女性の死で繕えるほどのほころびではない。
見ざる聞かざるで我が身を守り我が身を滅ぼす。


2012年08月22日(Wed)▲ページの先頭へ
翻弄
 福島沖20Kmの沖合でとれたアイナメから放射性セシウムが1kgあたり25800ベクレル検出されたらしいが、朝日新聞によると、食品基準の258倍の濃度だと書かれている。そもそも食品基準なるものが誰かの都合のよいようにとってつけられたものなのに、それを基準にのうのうと倍率を出しているのだから、新聞社の胡散臭さが透けて見える。事故以前の濃度など恐らく、小数点2桁、0.0いくつの世界だろうから、実際には200万倍と表現しなければならない。何か偶然ホットスポットに近づいた魚のせいみたいに書いているが、魚君が悪いわけではない。
それにつけても漁協の組合長の知識のなさには呆れた。「原発から海に汚染水は新たに流れ出ていないと言う前提・・・」だそうだが、あれ以来毎日何万トンも注入している水がそれでは一体何処に行っているんだと尋ねてみたい。どこに収まっていると考えているんだと尋ねてみたい。こんな認識で組合の長に立てるのだから空恐ろしい。底が抜けて垂れ流し状態だからこそ毎日何万トンも水を入れれるに決まっている。垂れ流しの水は地下にしみ地下水に届き海に流れ出ているに決まっている。
 海を奪われた漁師達は、一生の生活の保障を勝ち取るべきだ。獲ってはいけないものを獲ってはいけないし、売ってはいけないものを売ってはいけないし、食べてはいけないものを食べてはいけないのだ。海の男の純情をうまく利用されてはいけない。僕は漁師町で漁師達に育てられたから、漁師達が大都会のエライ奴らに翻弄される姿を見たくない。海に出なければ漁師ではないなら、エライ奴らだけに食わせればいい。僕ら下々が傷つけ合ってどうする。


2012年08月21日(Tue)▲ページの先頭へ
最低
 全国の学力テストと言うものがいいか悪いかは別として、岡山県の成績は40数番台で、ほとんど最下位に近かった。我が愛する岡山県がこんな成績で、僕は嬉しい。してやったりだ。学校の成績が全て、よい高校、よい大学へ行くことが全てと思っている親が少ないってことだ。体験か直感か知らないが、そんなことで人生が決まらないと思っている親や、決まらなかった親が多いってことだ。
幸か不幸か、田舎で育ち、田舎で育てたから、僕自身も子供達も、学校の勉強以外していない。学校の勉強も嫌いでいやいやしているのに、それ以上金を払ってまでする必要を感じなかったから、親子2代に渡って、いたって正統派だ。だから効率はすこぶる悪くて、本人の実力そのもの程度に収まった。頭の訓練もせず、テクニックも覚えず、運の見方もつかず、それなりに収まった。それなり以上を勝ち得た人と比べることが出来ないから(交際がない)自業自得が実は幸福だったのか不幸だったのかは分からない。より高きコースはどれだけの喜びをもたらしてくれるのか知らないが、自分のコースもそれなりに楽しかった。
 突出した才能を持ち、突出した訓練を受け、突出した職や地位につき、意図的か無知か知らないが、悪事の限りを尽くすより、そこそこの常識を持ち、人を騙したり、人を傷つけたりせずに、些細なことで頭を下げ合い、些細なことで笑い、些細なことで怒り哀しみ、些細なことで人助けする生き方の方が如何にも楽だ。損得を介せない人間関係の如何に楽なことか。学ばなくても身に付く人間関係は、必要以上にテクニックを付けさせる空間では生まれない。
最低ラインから這い上がるのは、最低ラインの現役の頃に身につけた教科書的な知識ではない。その後の人生で如何に弱者の役に立てるかって一点にかかっている。色々な形の弱者が存在するが、それを見つけることが出来る目は、学力テストなんかでは手にすることは出来ない。力んで生きる時代は過ぎ去った。脱力でこそ生き延びられる時代が来たのではないかと思っている。


2012年08月20日(Mon)▲ページの先頭へ
死罪
 今時韓国ドラマを見ていたりしたら怒られそうだが、いいものはいい。オリンピックで3週間飛んだが、昨夜は久し振りにソンヨンに会えた。何ていじらしいんだと、実際にはいそうにない人格を愛おしく思ったりした。ソンヨンの幸せを共に歓び、ソンヨンの不遇を一緒に哀しむ。なんなんだ僕は。
その道を卒業して何十年も経つから、今では客観的に女性のすばらしさを見つけ語ることが出来る。逆に、醜さも見つけ語ることが出来る。女性だけではなく男性でも同じことだ。毎日多くの女性(男性)と接する職業を何十年やって来たから、それも職業がら素の自分を出してくれることが多いから、何十万の個性と接してきたことになる。多くは善人で、社会が崩壊しない骨組みは彼らが作っている。とても強固だが時としてそれは破られる。幸い僕が生きている間にそんな状況を目撃することがなかった。運のいい世代なのだ。
 自分は、家族や親族を含めることが多いが、傷つかない立場でやたら勇ましい人間がいる。胡散臭さは見抜かれているのに、自分が気がつかないから質が悪い。そんなやつを尊敬しているのか利用しようとしているのか分からないが、またぞろ幽霊のように出現しそうだ。いざ表に立ったときに、うつ病になり目が泳いでいたざまを多くの人は覚えているだろうに、自分は忘れたか。
 もうどうにでもなれと全てをなげうって、青春時代のように再び自虐的に生きてみたい。希望や夢や目標などと、未来志向のものは何もなかった。只、今をどう過ごすかだけがテーマだった。いやいやいっそソンヨンが暮らしていたあの時代に帰って「王様、私を死罪にしてください」と何かしくじるごとに言っていうようか。僕がいうと嘘丸出しだから、きっちりやられそうだが。


2012年08月19日(Sun)▲ページの先頭へ
 薬局の隣はこの町一番の不動産を持っている会社の所有で、250坪もある広い土地だ。ほとんど何の設備も整えていないから、一見空き地のように見えるが、近所の人達が駐車場として借りている。勿論我が家も2台分借りているが、来客者は自由に拝借している。県内でもとびっきりの大地主だから、些細なことはお構いなしで、経済か度量か分からないが、それに大いに甘えている。
薬局に来た人で、運転に自信がない人はやはり大きな空き地に駐車したいらしく、それはバックで道路に出て行かなくてもいいからなのだが、「隣の空き地に駐車してもいいですか?」とよく尋ねられる。僕はその時決まり文句で全員に返す。「よその土地だから遠慮しないで使ってください」と。半分くらいの人は一瞬判断に困るようだが、それで駐車を躊躇った人は一人もいない。
 そんな駐車場で2週間前に鍵を我が家の工事に来てくれていた職人が拾った。職人は困ったのだろう、僕にそれを渡した。当然僕は拾った場所から近所の人を割り出して、妻に届けるように頼んだ。ところがその人は鍵を落としていなかった。それから契約している駐車場所から割り出す作業を徐々に広げていき、順番に尋ねてみたが結局は全員が鍵を落としていなかった。こうなると僕には手がない。近所の人ではないことしか分からなかったのだから。警察に届けるべきか、じっと持ち主が気がつくまで保管しておくべきか迷っていた。ところが昨日、ある市外の常連の女性が、2週間ぶりに漢方薬を取りに来たついでにひょっとしたらまだ落ちているかと思って、隣の空き地を少しだけ歩きながら捜したらしい。丁度そうしているところに出勤してきた娘夫婦が車を止めた。で、何をしているのですかという会話で、その女性が鍵の持ち主だってことが判明した。もし娘夫婦と駐車場で会わなければ、鍵を落とした会話などしていなかったと後からその女性は教えてくれた。
 その女性は必ず薬局の前に駐車する人で、2週間前に工事の様子を見るために、初めて空き地に足を踏み入れたらしい。想定外というあまり好きではない言葉があるが、それこそ、鍵の落とし主としては完全にノーマークの人だった。色々な偶然が重なって鍵を落とし、色々な偶然が重なって鍵が帰ったが、縁がある人は色々なところでよい結びつきが出来るものだと思う。
実はこの女性はもう10年に及ぶつき合いなのだが、姉御タイプなのだろう、沢山の、それも結構難しい患者さんを紹介してくれる。癌やうつ病、不妊や肝臓病、どれも困難な患者さん達だが不思議ととてもよい結果が出るのだ。おかげで結構遠い方なのに、その地区の人達が沢山何十分もかけてきてくれる。決して恩着せがましいことなど微塵も見せない、いや間違っても特別待遇などしようならこちらが怒られそうな人なのだが、どっしりと構えて、裏表のないさっぱりした性格が心地よい。何となく深い所で分かり合える。
 たった鍵一つの未解決事件だったが、縁なくしては解決できなかったのではないかと思わせる出来事だった。


2012年08月18日(Sat)▲ページの先頭へ
紙一重
 こっているのか悪のりか分からないようなネーミングはよくあるものだが、これも又その中の一つだろう。一つ間違えば実力以上に人気に火がつくこともあるだろうし、悲惨な結果に終わることもある。まさに紙一重だ。
漢方薬を飲んで頂いている関東地方のある女性がお盆休みを利用してご主人と伊勢志摩方面に旅行に行った。この辺りでも伊勢神宮に参拝する人は多いから、関東の人が参拝しても不思議ではない。ただ参拝が目的にしては少し若いから、伊勢志摩辺りをぐるっとという感じだろう。
 その女性が漢方薬の注文がてら簡単な旅行の報告をしてくれたのだが、お腹に自信がないのにやはり旅先とあって色々な食べ物を楽しんだらしい。その中で冒頭の変わったネーミングのものを食べたらしい。特別その食べ物に対しての詳細な説明がなかったので、誰もが知っているという前提で書いてくれたみたいだ。確かにその前後に書いている赤福や伊勢エビは有名だから知っているが、真ん中の「ひまつぶし」は知らない。学生時代目の前に横たわっていた無限の時間をもてあそんだあの頃の最大のテーマがこの暇つぶしだった。僕はパチンコという最強の武器を持ってこの難敵に6年間挑んだ。牛窓に帰ってからは薬大で全く勉強をしなかったせいで、ほとんど役に立てず暇つぶしを通り過ぎて「穀潰し」状態だった。
 次回注文の電話があったときに、ひまつぶしという有名な食べ物が何か尋ねてみたいと思う。願わくば共食いにならに様に。
「旅行先では、赤福氷や、ひつまぶし、伊勢エビと沢山食べてきました。・・・・・」


2012年08月17日(Fri)▲ページの先頭へ
専売特許
 同じような人がいて、それも専門家だから、ほっとした。僕の漢方相談に一番欠けているのは品だ。2番目は知識で3番目は真心で、もうその欠け具合はと言うとほとんど総入れ歯だ。
まるで僕の専売特許かと思っていたら、東京の心療内科のお医者さんが僕と同じことを言ったと、ある街の議員が教えてくれた。もう2年近くお世話をしているその議員の友人が東京で医者をしているらしい。癌の手術をした後、鬱状態になった彼を近隣の医者がある抗ウツ薬などで治療をしようとしたらしいが、セカンドオピニオンとしてその事を友人の医者に相談したら「そんな薬効くはずがないから止めておけ。パチンコでもした方が余程ましだ」と助言してくれたらしい。このまさにお得意のフレーズ「パチンコでもしたら」を心療内科の医者が言ったことに驚いた。親友に抗ウツ薬や安定剤をのませたくなかったのか、それとも本当に抗ウツ薬などを信用していないのか分からないが、助言の品のなさにメチャクチャ親近感を持った。
 その議員は結局僕の煎じ薬などですこぶる元気になって、議員特有の動物的な臭いをぷんぷんさせて頑張っているが、品のない患者には品のない薬局の品のない処方が一番だ。もし品で人の病気が治すことが出来るのなら、僕はすぐにでも髪結いに走り、その足で洋服の青山に回り、駅前留学で会話の中にちりばめるカタカナ英語を学び、パチンコ屋の前を軽くステップを踏みながら通り過ぎるだろう。でも毎日応対している人にかける言葉は今も昔も「パチンコにでも行ったら」なのだ。1日何時間も弾き続けた絶望のバネがまさか今になって人を救うことが出来るなんて・・・もっとのめり込んでおけばよかった。


2012年08月16日(Thu)▲ページの先頭へ
無罪放免
 ・・・子どもに対するCT検査では、放射線の累積被曝線量が約50mGyに達すると白血病の発生リスクが約3倍、約60mGyで脳腫瘍の発生リスクが約3倍になるものの、絶対リスクは小さいことが、英国・ニューカッスル大学のMark S Pearce氏らの検討で示された。CTスキャンは有用な臨床検査だが、電離放射線による発がんリスクの問題が存在し、特に成人に比べて放射線感受性が高い子どものリスクが高いとされる。CT検査を施行された患者の発がんリスクを直接的に検討した試験はこれまで行われていないという。・・・
 放射線で安全なんて言葉は使えないのが今の科学の到達地点だ。その言葉を使うひとはなにか目的(下心)があると思っていい。福島の事故の後、ドイツではすぐに向こう10年で原発を廃止するように決めたが、日本では、当事者のくせに未だ決めることが出来ない。ドイツで医者が先頭を切って放射線の危険を訴えたのとは反対に、日本では医者の声が挙がらない。余程日常で放射線の恩恵を受けているのだろう。医学的なメリットの他に経済的なメリットを含んでのことだが。寧ろ後者の方の恩恵により多く浴しているのではと勘ぐりたくなる。
 オリンピックの陰に隠れて、いや陰に隠して被爆が語られなくなった。被害者達の告訴が受理されて、これでやっと捜査の手が伸びることになるらしいが、マスコミではほとんど伝えられない。並はずれた遺伝子と、並はずれた環境と、並はずれた努力と、並はずれた美談で輝く人達のお涙頂戴の陰で、並はずれた不幸を強いられた人達の涙は報じられることはない。並はずれた犯罪が無罪放免になるなら、どんな庶民の犯罪も許される。


2012年08月15日(Wed)▲ページの先頭へ
ハイタッチ
 ある薬の業界紙に寄せられた意見を、これもありという感覚で読んだ。
 「こちらは具合が悪くて行っています。薬剤師の方も人相手の仕事なのだから愛想良くしてほしいです。私が最後の客でしたが、ドアを出たとたん背後でハイタッチをしているのを見た時正直怒鳴りつけてやりたくなりました。ものすごく腹が立ち、2度と行くもんか!と思いました」
 東北地方の若い女性の投稿らしいが、勝手にイメージしている東北美人の正直な怒りが伝わってくる。色白で忍耐強く・・・・それでも許せなかったのだろう。
 僕ら昔の薬局の人間にとってお客さんを一人作るってのはとても大変なことだ。薬の知識、養生法の伝授、果ては病気の改善は当然だとしても、人間性まで評価されてやっと馴染みが出来る。その果てしない積み重ねでやっと事業として成り立つ。だから何十年勝負なのだ。ところが最近の薬局は、医院の前に建物を造り、医者が集めた患者の薬を作っていればいいから、全身全霊なんてのは必要ない。医者の機嫌を損ねない限り、金づるは毎日当然の如くやってくる。だから、最後の患者の応対がすんでハイタッチしようがロウタッチしようが、仕事から解放されるその瞬間が至福の時なのだ。でもそれは当然悪いことではない。運悪くその解放の瞬間を見られただけで、ちょっと隙があっただけなのだ。サラリーマンが仕事が終わりビアガーデンでジョッキを傾けるのと何ら変わりなく、悪意は全くない。処方せんに従い、正確に調剤し、幾ばくかの薬学的な指導をすれば完璧だ。愛想はするものではなく、こぼれ出るものだから、そこまで期待されたらかなわない。経済的に恵まれた現代の薬剤師が、体調不良でやってきた患者と同じ地平に立てるかどうか分からないが、いずれその薬剤師が年齢を重ね、患者の回復を喜んでハイタッチをし合う姿を見せれば、その色白で忍耐強い東北の女性も許してくれるだろう。


2012年08月14日(Tue)▲ページの先頭へ
盆も正月も
 横殴りの雨にはめっぽう弱いから、思い切って防水工事をして貰った。今日の一時の大雨はその成果を試すには丁度よかった。今までなら今日の雨の何分の一かの強さでも雨漏りしていただろうが、さすがに工事終了後1週間もたっていないから、雨漏りの形跡は見つけることが出来なかった。鉄筋コンクリートの建物でも水にはかなわないのか、意外ともろいものだ。
数ある業者の中で今回お願いした業者だけが「雨漏りはむつかしい」と正直に言った。工事が始まってからも難しいと言い続けた。本来なら自信を持って任せてくださいと言うところに頼むのだろうが、僕は逆の行動に出た。何年か前に同じように工事をして貰ったのだが、2年もたてば元の木阿弥だった。雨漏りは難しいという認識はその時の経験で共有できる。だから口先だけで自信ありげなのはもう信じないことにした。難しいから責任を持ちかねると言う方を信じたのだ。
この共通認識は、僕の職業からでも簡単に行き着ける。どんな病人が訪ねてきてくれても「お任せください」とは言えない。いや言わない。難しいものは難しいし、治りにくいものは治りにくい。もっと言えば治らないものは治らない。夢を売ってお金を貰うわけには行かないから、僕は正直に言う。ただ少しでも可能性を感じられるときは、正直に「挑戦させてください」と言う。
 嘘やはったりが必要ない職業って、楽しいしとても楽だ。多くを望まなくても信頼を得られることが出来れば、それに相応しい報酬が得られる。溜める方法より使う方法を知らない庶民には相応しい生き方だ。お盆の間、昔ほど帰省客はやってこないし、旅行客も減った。ただそんな中でもとても深刻な悩みの方が普段通りにやってきてくれる。盆も正月もない苦痛を抱えている人が、盆も正月もない薬局に来てくれる。


2012年08月13日(Mon)▲ページの先頭へ
 お薬、本日届きました。お忙しい中、わざわざ有難うございました。主人の「えらい、だるい」という言葉を聞くことが少なくなりとてもうれしく、ほっとしています。病院での検査結果も良くなっているそうです。先生は本当に私たち家族の命の恩人です。先生に巡り合わせて下さった神様に日々感謝するばかりです。今後とも宜しくお願い致します。
頂いた冬瓜、早速スープでいただきました。ごちそうさまでした。娘にお菓子までいただいて本当にありがとうございました。暑い日が続きますが、先生も体調崩さないようお気をつけください。
○○

 貴女もお子さんもご主人も、僕や妻にとっては大切な人達です。僕は望んで薬剤師になったのではないですが、漢方薬に巡り会って、薬剤師でよかったとずっと思っています。貴女のような方と巡り会えるたびに、もっと勉強をして現代医療で救えない人達のお役に立ちたいとまた意を新たに出来るのです。その繰り返しで、毎日を充実できているのだと思います。僕の方が感謝です。
ヤマト薬局

 この女性は特定の神様を持ってはいない。ただしばしば神様という言葉を使う。僕の薬局人生でこの人に優る不幸な生いたちを知らない。してはいけないことをしてしまったこと、されてはいけないことをされてしまったことを長く心に秘めて苦しんでいた。普通の人がまず経験することがないことが片手で収まるのだろうか。ただ撲はこの人が最初に薬局にやってきたときの失意の表情が、いや魂の抜け殻みたいな表情が、何となく美しく見えたのだ。不器用に付き添ってきたご主人の、時折くしゃくしゃの顔を崩す表情もひどく救いに思えたのだ。
僕は数年前から特定の神をもった。ただ今はその事を決して喜んではいない。その教えにあまりにも従順であろうとする人達が、実はその教えを説く人間様やそこで肩書きを持つ人間様などにあまりにも従順すぎるのを見せられて、いわゆる「ぴんと来ない」のだ。余りにも作られた人の上下に不自然を感じてしまうのだ。人の介在が増えるに従ってその人達が集う神の空間から心が離れていく。僕は人の手を介さずに直接的な、彼女の言う神との関わりでいいと思っているのだ。何らその手の教育を受けていない彼女がいつも自然に口から出す神でいいと思っているのだ。その方がどれくらい純粋だろうと彼女の口から神という言葉を聞くたびに思ってしまう。
畏れおおい方に頭を垂れて願い多かった頃の方が数段純粋で、彼女とも神を共有できたと思う。


2012年08月12日(Sun)▲ページの先頭へ
意外
 意外だが理にかなっている。そうしてみると日本人は文明の利器を武器に大変なことをしていることになる。
お昼ご飯に教会でソーメンを出して貰った。麺にも氷が、つゆにも氷が入っていて念が入っている。見た目にも綺麗で涼しげだから暑い日でも食欲をそそられる。一緒に行ったかの国の女性に美味しいかどうか尋ねたら「まあまあ」という、とても便利な日本語で返事が返ってきた。僕が教えた言葉か何処かで覚えた言葉か分からないが、この言葉を使ったときの日本人の評価はおおむね低いのが相場だ。全否定の失礼を防ぐためにえてして使われるまさに日本人的な言葉だ。二人の評価も恐らく高くはなかったのだろうから、理由を知りたかった。淡泊な味が好まれないのかと思ったら、何と冷たいことがそもそも受け付けることが出来ないのだそうだ。それが証拠に帰りの車の中で若い方の女性が気持ちが悪いと言い出した。持ち合わせの薬がなかったので、薬局で薬を買ってあげると言うと、車から降りて暖まれば治ると答えた。事実カークーラーのない状態になるとすぐに治ってしまった。
 1年中夏しかない土地の人が「ワタシノクニにはツメタイタベモノナイ」と言ったのは驚きだった。冷たい物しか食べないなら分かるが、汗を吹き出さなければならないような食事を3度3度するのかと思うともうそれだけでアセモが出そうだ。ただこれはとても理にかなっている。発汗させて体温を下げようとしているとも考えられるし、火を通すことで食中毒を防いできたってことも考えられる。どちらにしてもかの国で健康的に暮らすには、必要条件のような気がした。恐らく科学的にまだ理論づけられない頃からの習慣だろうから、人間の知恵には感心する。
冷蔵庫やクーラーなど人工的に作り出した環境で、まるで自然と乖離した生活が、健康や寿命を保証するものではないように思う。虫歯一本もなくまるでモデルのようなスタイルで、なおかつ健康でよく働く彼女たちを見ていると、胃袋を氷嚢にして体温を下げて、疲れた〜を連発するこの国の働き人の危うい将来が見えてくる。ソーメンもラーメンもアーメンも熱いかの国に比べて、この国は全に冷がつく。


2012年08月11日(Sat)▲ページの先頭へ
農薬
 「下の方が白くなっているけれど、それは農薬だからよく洗って食べてよ」と言われなければ素直に喜んで食べただろうが、そこまで言われるとさすがの僕も抵抗がある。ただ、正直にそこまで言われるとなんだか、農薬のイメージもマイルドになる。洗って食べればいいのだと思えてしまう。ほとんどの市場に出回っている作物が農薬なくして作れないことは分かっているが、人は目に見えなければ、味で判別できなければそんなに恐れるようなことはしない。まして特に昔と今の農薬の強さには雲泥の差があるからどうしても寛容になる。
ただ、これがかの地から送られてきたものだとなるとそうはいかない。そもそもお酒を飲む習慣がない上に、連帯だ絆だ頑張ろう何てかけ声をかけられても、こちらのテンションは上がらない。ひ弱な身体の上にまだひ弱を強いられるようなものを体の中に入れるわけには行かない。明治や大正の人ほど屈強な身体を持ち合わせていないから、何とか自分で消耗を避けてやっとの事で日々を暮らしているのに、人類最凶のものに肉体を暴露させたくはない。ケースの上から放射線の強さを測れても、液体まで測る器具は持ち合わせていない。折角のかの地の銘酒も、今は戸外で出入り禁止の刑に処せられている。そんなもの全く気にしないと言う豪傑が来ればすぐに持って帰って貰うのだが、そんなのんべいは未だ塀の向こう側だ。
時に見えないものに勇敢になったり、時に臆病になったりするのが人間だが、その振幅が裏目にでがちなのも又人間だ。人類最凶のものを恐れることが出来なかったり、人類最低のものを畏れ敬ったり、人類が進歩しているなどとはとても考えられない。冷やで一杯頂きながら・・・いやいや僕はしらふで頑張るぞ。


2012年08月10日(Fri)▲ページの先頭へ
 ・・・世界各国で深刻な社会問題となっている薬物乱用。日本においても例外ではなく、とくに若年層を中心に薬物乱用が浸透しているのが現状である。また、自殺者が薬物乱用の問題を抱えていることも少なくないと言われている。国立精神・神経医療研究センター 松本氏らは、日本人薬物乱用者における自殺のリスクファクターと性別による違いを明らかにするため検討を行った・・・
 薬大に行きながら薬や医療について何の興味もなかったから、どうしてそんな内容の本を読んだのか分からないが、いや何か思想書の中に出てきたのだろうか、ヨーロッパでは心を病んだ人は草原で治し、日本では白い壁の中で治すという違いに言及していた箇所がやたら印象に残っている。何十年も前の話だが、恐らく今でも同じようなことがなされているのではないかと思う。いや寧ろ、薬というものがもっと幅をきかせるようになって、まるで養鶏場の鶏の如く、与えられた空間で、与えられた環境で治療という名の管理下に置かれているのではないか思う。
 連日、オリンピックでメダルを取った選手のインタビューが放映される。選手が口を揃えて言う言葉が「回りの沢山の人に支えられてとれたものです。みんなに感謝します」と言う内容だ。もう、1人の才能だけでメダルがとれる時代ではなくなったことの証明でもあるが、選手達の人間性の向上でもあるのだろう。感謝の言葉が多く飛び交っていた。それは見ていてとても気持ちのよい光景なのだが、僕にはそれとは全く逆の光景も目に浮かぶ。社会との接点を失い、一人で悶々と生きている人達だ。何の評価も与えられず、何のチームにも加えられず、何の援助もない人達だ。孤立して窒息して歓び薄く毎日を懸命に飲み込んでいる人達だ。苦況を訴えれば薬という名の化学物質を無制限に放り込まれ、思考すら許されない孤独に追いつめられる。薬物を乱用したのではなく乱用させられたのだ。救いを求めた場所で結局は彼岸に追いやられる。誰もが気がついているのにこのシステムは変わらない。医療という名の金のなる木に群がっている企業の本質そのものなのだから。 営利営利と気の早い虫が鳴く。


2012年08月09日(Thu)▲ページの先頭へ
あやかり焼き
 僕に言わせれば単なる胃腸のトラブルだと思うのだが、体調不良に慣れていない人はこれは大変なことになったと思い、胃腸科を訪ねたり、それで解決しなければ心療内科を受診する。そうしているうちにどんどん深みにはまり、病人になってしまう。
 この人もそのパターンだ。しかしある人の紹介できてからあっという間に改善して、もう少しで恐らく完治する。この異常な早さでの完治は(現在漢方薬を飲み始めて丁度1ヶ月)僕の実力かと思っていたら、意外や意外、ひょっとしたら彼自身の工夫、特技が貢献していたのかもしれない。
 彼を僕の薬局に紹介してくれた人が「自分で煎じるための土瓶をつくって飲んでますよ」と教えてくれた。調子も良さそうだと付け加えて。僕は煎じるための器は何でもいいとずっと言ってきているし、彼にもそう言っている。ところが焼き物の修行中の彼は何と自分で煎じ器を作ってしまったのだ。僕は興味があったのでその自作の煎じ器を見せてくれるように頼んだ。すると今日3回目の漢方薬を取りに来るついでに持参してくれた。その出来映えを僕の拙い文章で表現するのは難しいから、若夫婦に写真を撮ってもらい、彼らのホームページにアップするように頼んだ。だから外見はそちらに任せるが、彼の手作りの土瓶の効用を聞いたからここで紹介する。
 熱伝導率がいいから火から下ろしてもまだ沸いている。保湿性がいいから内壁にエキスがしみこんで、日に日にエキスが濃くなる。この2点を強調していた。なるほど生薬のエキス分を余すところなく抽出できるのかと思ったが、僕はそうした機能面よりも、そのものの持っている作品としての価値の方に興味があった。そしてデザインも全く自由なのだ。
一言で言うと「マイ煎じ器」なのだ。世界で一つだけの自分だけの煎じ器なのだ。確かに1ヶ月使っている彼の手作りの土瓶も、なかなか趣がある。恐らく作ったときとはかなり違ってきているのではないか。使うからこそ変化する生きた土瓶だ。蓋を開けるとかすかに煎じ薬の残り香がするが、煎じ薬を飲んで治療するんだと言うより、風情を楽しみながら健康を取り戻すと言った方が言い当てているかもしれない。なかなか治療のモチベーションを維持するのは難しいが、こうした楽しみがあればすぐ諦めて続かない人でも目的を達してくれるかもしれない。「もし、マイ土瓶を欲しいと思った人がいたら作ってくれる?」と尋ねたら快く引き受けてくれた。もうその顔には1ヶ月前の苦痛の表情はない。プライバシーがあるから具体的な症状は書けないが、ただ驚異的な早い回復にあやかって僕は彼の土瓶を「あやかり焼き」と名付ける。もし希望の方がいたら連絡して下さい。世界に一つしかない土瓶で煎じれば、早く治りますよ。


2012年08月08日(Wed)▲ページの先頭へ
苦笑い
・・僕が作っているのは、お嬢さんだけではなく大人も老人も「能力発揮薬」なのです。
こんな症状で人生を楽しむことが出来ないのは「もったいない」が原点です。お嬢さんより少しだけ後になりますが(高校2年生)同じような悩みを抱えて悶々と7年間暮らした口惜しさが僕の原点です。日本中のまだ見ぬ青年達に同じ思いを味合わせたくない、それも又原点です。あの6年間がなかったら今頃僕はオリンピックに出て「支えてくださった皆さんのお陰です」と100万ドルの笑顔をしていたでしょうが。今では50円もしない苦笑いの名人になっています。
ヤマト薬局

 あるお母さんにメールの返事をしていて書いた文章なのだが、書きながら何故僕がむきになって漢方薬を作るか分かってもらえる文章だと思った。幸せを一杯集めることが出来る人がいて、幸せに縁遠い人がいて、どちらにつくか、あるいは手を差し伸べるかは、僕にとっては簡単な答えなのだ。縁あって漢方薬を教えて貰い、それを駆使するすべも教えて頂いた。誰のためにそれを使うかの答えも僕にとっては簡単だ。経済を優先して、多く持てる者を選択して漢方薬を「販売」するカリスマもいるが、僕には出来ない。誰を傷つけるではなく、ひっそりと暮らしているような人こそが傷ついてしまう時代を恨めしく思いながら、僕に出来る些細なこととして漢方薬があるのだ。大きなことは出来ないが、小さなことでこそ救われる人達の役に立ちたいと思っている。それは田舎の薬局だからこそ出来ることだと思っている。


2012年08月07日(Tue)▲ページの先頭へ
青春
 薬剤師が不在の時は、薬局は閉めなければならない。こんな決まりがあるのに、役所が主催する講習会は必ず平日の日中に開かれる。本当に法律を薬局に守って貰おうと思うなら日曜日に開けばいい。こんな当然すぎる考えも公務員には無理なのだ。己を優先することしか考えていないから、自分を犠牲にするような発想は出来ない。
今日も午後3時からその手のものがあった。岡山市で開催されるから往復の時間と講習会合わせて4時間近く拘束されたことになる。内容はもう何回も聞いているものだから又かと言った感じだ。あちらにしたら帳面を消さないといけないから、何十年も同じことをしているのだろうが、こちらとしたら薬局での充実した時間を奪われることになる。幸い僕の薬局は薬剤師が3人いるから、一人が抜けても薬局を閉めなければならないことはないが、一人薬剤師の薬局はどうしているのだろう。生真面目に薬局を閉めて来ているのか、あるいはこそっと素人が営業を続けているのか。
 市民会館を借り切っての講習会だったのだが、いつもはコンサートや演劇のために使われる大きなホールだから、照明が落とされて薄暗くなればとても落ち着いた雰囲気で、5分も目を開いておくことが出来なかった。腰掛けの上での熟睡だから時折目は覚めるが、ものの数十秒で又眠りに入ることが出来る。薬局にいたら懸命に働いて眠気など催さないが、同じ時間帯でも充実感がなければこんなに眠れるのだと、平生の僕に喝采を送りたいくらいだった。
 遠路はるばる薄暗くて涼しい場所へ、貴重な時間を潰して昼寝をしに来たようなものだ。出かける前にパソコンの画面に残っている沢山のメールでの報告や相談に後ろ髪を引かれながらやって来たのに、爆睡以外何の得るところもなかった。帰りの車の中で僕は誰にともなく叫んだ。「青春を返せ!」・・・ あれっ。


2012年08月06日(Mon)▲ページの先頭へ
小指
 「何じゃこりゃあ、僕のジーパンの方がまだましじゃないか」
 ついにジーパンが2箇所破れてくれたので、これで新しいのを買ってもいいかなと思って、日曜日に決まって昼食を食べるスーパーの衣料品コーナーに行った。ややこしい言い回しだが、他の店に入ったことが無くて、そこのスーパーは食堂の近くに衣料品コーナーがあるから親近感があるのだ。わざわざ感が無くてその手のものにはめっぽう敷居が高い僕でも自然な流れで買い物が出来る。
 以前から左側の前ポケット辺りが破れかけて白い糸が数センチ四方露出していたのだが、ついに左膝上が長さ10cmにわたって水平方向に破れた。椅子に腰掛けていると上下に3cmほど口を開ける。この格好で今日も深刻な漢方相談をしたのだが、来られた方も納得されたのではないか。顔はよくても品がない、知識はなくてもよく効く、服代がいらないから漢方薬が安いと。
 ようやく自分で納得が出来るくらいにボロボロになったから、勇んで買いに行ったのだが、陳列してある中で特別格好いいなと思ったジーパンが、僕のジーパンとそっくり、いや僕のジーパン以上にボロボロではないか。僕のより数倍多くの箇所が破れている。それももっとひどく。こんな最初から破れて、しかも色が褪せているものを売っているのだったら、僕のものなどまさに現役の人気商品だ。
 それを見て買う気が一度に失せてしまった。当分破れジーパンで行くことにした。すると妻が、橙色のズボンがあるからそれを履いたらと教えてくれた。僕も一度足を通したことがあるのだが、窮屈だけど履けないことはなかった。ただあのズボンは確か10年以上前に従姉妹の娘に貰ったものと思うのだが、僕にくれたものだろうか。あのズボンを履いて薬局に立つ時はやはり小指を立てるべきだろうか。


2012年08月05日(Sun)▲ページの先頭へ
爪楊枝
 またまた僕は凄いことを発見した。もうかの国を訪れなくても紀行文が書けそうだ。
今日、新しいかの国の若い友人のアッシー君になって、岡山市のショッピングモールを案内した。簡単な昼ご飯を一緒に食べたのだが、食後にその中の一人が僕に爪楊枝をとってくれた。そこまでは若い女性なのによく気がつくなと感心しただけなのだが、その後驚いたのは、4人全員が自分たちも使い始めたことだ。僕はラーメンを食べただけだから爪楊枝は必要なかったのだが、彼女たちが食べたのもラーメンかうどんだったので、まして若くて綺麗な歯をしているので、どう見ても必要なさそうだ。それがそろいも揃って一様に爪楊枝を口に入れる姿は、日本ではあまり見かけない光景だ。彼女たちのおじいさんおばあさん世代なら分かるが、いや一歩譲って両親世代ならまだ分かるが、若さで充実しきっている女性達には余りにも不釣り合いな光景だった。以前ブログにも書いたが、外股歩きと同じくらい衝撃的だった。
 このグループは今日が初めてだったが、そう言えばしばしば行動を共にしている二人も食後に爪楊枝を使う。二人だけだったので若干の違和感はあったがそんなに衝撃的ではなかった。今日は4人という迫力が決定的な印象を与えたのだと思う。
 ただ今日の驚きの目撃は、彼女たちを否定するものではない。むしろ半日行動を共にして、異国の地で懸命に働いている姿に触れて愛おしさが溢れてくる。嘗て幼い息子と娘を育てていた頃の感情に似ているなと、店内に消えていった彼女たちと僕を隔てた自動扉に映る自分の姿を見て思った。


三種の神器
 なになに、牛窓に又わざわざ食べに来る店が増えた?
今朝は遠くから漢方相談に来てくれた方が多くて、その中の一人が、「漢方薬を作って頂いている間におそばやさんに行ってきていいですか?」と尋ねた。牛窓に来たのは初めてらしいから「すわきのラーメン屋さんではないの?」と聞き返したがやはり日本そばのお店らしい。ラーメン屋は知っているが日本そばの店があることは知らなかった。「11時から限定20食らしいですから、遅れないようにしないと」とさっきまでの深刻な病気の説明の顔とはうって変わって、表情が明るい。ああ、ここでも今流行りが飛び出す。例の限定なになにだ。ちょっと不自由な場所、古民家、限定が今や繁盛の3種の神器だ。そうしてみれば僕の薬局にはこの要素は何もない。県道に面した牛窓では一番便利な場所。鉄筋コンクリートのモダンな建物。漢方に限定して、それらしく見せ高額なものを売りつけるのがいやだったから何でも屋さんを常に目指している。
これで分かった。僕には繁盛の為の3種の神器どころか、衰退の為の3種の辛気・・・くさいが備わっているのだ。まあいい、このところの僕のモチベーションは、僕の薬局に来てくれた人に牛窓で買い物や食事を楽しんで貰うことだから。結構そうした人が増えて、薬局を出るときに帰りとは反対の方向に出ていく。長いこと自分の仕事ばかりにかまけていたから少しはこれで町に恩返しが出来るかもしれない。


2012年08月03日(Fri)▲ページの先頭へ
資格
 「えっ、そこまで!」さすがの僕も声を大きくしてしまった。それはそうだろう、いくら資格を沢山持っているにしても、その資格を持っている人はさすがに少ないと思うから。 「待合室にずらーーと書いていますわ」と最初教えてくれた時は別段そんなに興味はひかなかった。ただ撲の漢方薬を飲んでくれている人が、僕の息子がバイトをしている医院にもかかっていることが分かって、唯一その事だけに興味があったのだ。患者さんが院長先生の話をしているときに、持っている資格の多さに驚いたことを話してくれた。先生一人のものではなくてスタッフ全員を集めるとの話らしいが、興味本位でどんな資格を持っているのだろうとホームページで調べてみると確かに多い。内科学会、消化器学会などから始まって聞いたことがない名前の資格が並ぶ。余程勉強が好きな先生と見えて医学関係だけで30くらいあった。専門医の他に所属する学会などを含めた数なのだがこんなにお医者さんは勉強しないといけないのかと思った。ただこの医療関係の資格の他がこの医院は凄い。福祉住環境コーディネーター 、 国内旅行業務取扱者、一般旅行業務取扱者、宅地建物取引主任者、日本旅行地理検定B級試験合格、危険物取扱者、心理相談員、2級ボイラー技士、ファイナンシャルプランナー、法学検定試験4級及び3級司法コース合格、他アロマ検定 漢字検定などなど。
 話を最初に戻すが、その患者さんも驚いたし僕も驚いたのがヘリコブターの資格まで持っていることだった。僕は操縦の資格を持っているのかと思ったが、患者さんはドクターヘリで診察する資格じゃないですかと言っていた。そんな資格があるのかなと思いながらホームページの資格一覧を見ていた僕ははたと気がついた。「奥さんこれじゃないの、待合室で見たヘリコブターの資格ってのわ」僕が指さすと女性は「そうですそうです、ヘリコブターって書いているでしょう」と答えた。さすがに資格が好きな先生でもまさかヘリコブターの操縦までと思ったのだが案の定だった。「奥さん、これは胃の中に住んでいる菌の名前じゃないの。ヘリコブターではなく、ヘリコバクターって書いているでしょう。日本ヘリコバクター学会って」「なんやへリコブターじゃないの」
飛んだ落ちだったが、僕も女性も顔の筋肉をしばらく弛緩できた。不安な症状を抱えた人が一瞬でも笑いで身体の力が抜けるのは薬なんかよりはるかに効果的だ。ずっとあの笑顔が続くようにと心の底で祈らずにはおれなかった。


2012年08月02日(Thu)▲ページの先頭へ
純情
 おまえはこんな小さな頭で数学が出来るのか。長方形の対角線の丁度交点辺りに一晩中陣取って寝るから、僕は寝返りを打って押しつぶさないように、寝ているのか寝ていないのか分からないくらい浅い眠りで朝を迎える。結局僕は一晩中頭の部分だけ布団に残して胴体から下はずっと畳の硬い感触に耐えている。暑い日が続いているから畳のひんやり感は若干の救いだが、骨格系には結構応える。健康に必要不可欠の寝返りはと言えば、敷き布団を枕に長方形の一辺を行ったり来たりしている。
 おまえは何て汚いのだろう。テレビの画面からはみ出しそうな大きな顔をして、何も国民のことなど考えてもいない。電気の会社を興した企業家の主催する塾で政治を学んだそうだが、所詮企業家譲りの価値観だ。金が全てだ。何を学んだのかおよその見当がつくから何も期待していないが、同じ小物ばかりを集めた集団で何が出来よう。出来るとしたら、企業家や役人を敵に回さない施策ばかりだ。ワタシの責任などと蚊の羽音程度の軽さで何おかいわんやだ。そう言えば自分の選挙がらみで色々汚いことが暴かれ始めている。偉い肩書きを持ったら捕まらないのか。痛くも痒くもない存在にはマスコミも寛容なのか。
 まあ信頼するに足るものが一気に喪失したこの国で、犬一匹のために畳の上をゴロゴロ回転する純情が一つくらい落ちていてもいいだろう。缶ビール一杯飲みたかったばかりにちょっとだけ人様のお金を拝借して塀の向こうにいる僕の友人ですら、あいつらよりはずっと心は綺麗なように思える。


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■店舗名■
有限会社 栄町ヤマト薬局

■住所■
〒701-4302
岡山県瀬戸内市 牛窓町牛窓4808-3

■連絡先■
[TEL] 0869-34-5466
[FAX] 0869-34-6017
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